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国産戦闘機F-3が上手くいかない3つの理由

Japan In-depth / 2018年12月8日 11時0分

国産戦闘機F-3が上手くいかない3つの理由


文谷数重(軍事専門誌ライター)


【まとめ】


・世界一の国産戦闘機製造の構想。


・純国産開発にはF9エンジン・ES探知器材が不可欠。


・予想される高コストにどう取り組むのか。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=43143でお読みください。】


 


国産戦闘機F-3を作る話がある。空自は新戦闘機導入を検討している。それを純国産で開発する構想だ。従来の国産戦闘機F-1、F-2に続く機体となるため巷間ではF-3と通称されている。


構想は世界一流を目指すとされている。純国産エンジン、レーダを装備した世界一のステルス戦闘機を作りだす。そのように夢想されている。


だが、国産戦闘機の見込みはうすい。なぜならエンジン選定、ステルス戦対応、そしてコスト面に課題を抱えているからだ。


 


■ エンジンがコケればF-3もコケる


純国産開発には3つの課題がある。


その第1は国産エンジン依存である。


構想は国産エンジンF9を前提としている。これは小直径ながらハイパワーを売りとしたジェットエンジンだ。サイズは米F-18戦闘機で使用する中規模エンジンF414と同等やや大きい程度である。それでいながらパワーは1.5倍、15トンの推力を出す計画だ。これはF-35戦闘機用に肉薄する数字だ。それにより「新戦闘機は高性能を発揮できる」と主張されている。重量や空気抵抗、ステルス性で有利な小型機体にハイパワーを与えられるからだ。だが、このF9エンジンがコケたらどうなるだろうか?


計画は行き詰まる。代替品がないからだ。


F-3戦闘機に入る大きさの代替エンジンではパワー不足となる。機体は小直径のF9エンジン合わせだ。だから代替としても小直径エンジンしかはいらない。そして、そのようなエンジンではF9の推力15トンは達成できない。前述のF414では最大出力は10トンと2/3である。逆に推力15トン級以上のエンジンはF-3に入らない。F-35戦闘機用のF135エンジンやF-15戦闘機用のF110エンジンは直径でだいたい20センチ大きいのだ。



▲写真 戦闘機用エンジン XF9-1 F-9エンジンは試作中である。実用機搭載の試験を経ておらず信頼性は未知数である。そのため「平成の誉」となる可能性も高い。写真はXF-9「戦闘機用エンジンシステムの研究試作(プロトタイプエンジン)の納入について」 出典:防衛省,2018.6.29


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