仏デモ、社会の不満が根底に
Japan In-depth / 2018年12月14日 9時41分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏で「黄色いベスト運動」と呼ばれる大規模な抗議運動が展開中。
・デモ参加者の多くは反マクロンで、高学歴・管理職も参加。
・デモ参加者と一般市民との間に温度差も。
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いまパリを中心にしてフランス全土、2000カ所で「黄色いベスト運動」と呼ばれる大規模な抗議運動が展開している。
これは、マクロン政権が計画した燃料税引き上げに抗議して11月17日に発生した運動だが、フェイスブックなどのSNSを通じて全国に広がった。これらの活動は、車に設置が義務付けられている黄色いベストを、デモ参加者が着て行っていることから「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト運動)」と呼ばれている。しかし、この運動は最初は燃料税の引き上げが問題だったのにもかかわらず、現在はかなり様相が変わってきている。
12月1日には大規模なデモが各地で行われ、パリでは凱旋門内部に設置されていたフランスの象徴ともいわれるマリアンヌ像の破壊をはじめ、暴徒が車を燃やしたり商店を襲い略奪をするなどが起こった。そのため、大きな被害を受けたことを重く見たフランス政府は事態の鎮静化をはかるため、燃料に対する増税案を凍結したのだ。しかし、黄色いベスト達の活動は終息する気配がまったくない。
そんな中、黄色いベストの統率者はいないのにもかからわず、どこからか黄色いベスト運動が要求する項目のリストが出された。そのリストは、42項目ほどあり内容は多岐にわたる。
例えば
・ホームレスをゼロにしろ
・最低賃金の手取りを1300ユーロにしろ
・1200ユーロ以下の年金はだめ
・ローカル鉄道路線、郵便局、学校、幼稚園の閉鎖を中止しろ
・幼稚園から高校3年まで、1クラスの最大人数は25人にしろ
・住宅断熱の大計画(家庭で節約、省エネすることでエコロジーに貢献)
などなど
これらを見ていると、黄色いベストの不満は増税などのマクロン政権に対するものだけではなく、昔から積み重なってきた不満が爆発したものではないかとも考えられる。
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