「スポーツは皆で楽しむもの」スポーツの秋雑感 最終回
Japan In-depth / 2018年12月24日 1時42分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・女子カーリング日本代表「そだねー」が与えた癒し効果。
・冬季スポーツ人口を増やすには「やってみたい」と思わせる事が肝要。
・スポーツを「企業広告」目的のものから、もっと身近なものへ。
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スポーツの秋雑感と銘打って立ち上げた本シリーズであったが、気がつけば師走である。やはりウィンタースポーツの話で締めくくらねばなるまい、と思っていた矢先、流行語大賞の発表があった。「現代用語の基礎知識 2018ユーキャン新語・流行語大賞」というのが正式名称だが、今年大賞に選ばれたのは「そだねー」であった。
ご記憶の向きも多いであろうが、平昌冬期五輪で銅メダルを獲得した、女子カーリングの日本代表が発信元である。サッカーなどと違い、カーリングではチームぐるみで日本代表を選ぶので、今次の平昌で初めて表彰台に立った選手は、全員がロコソラーレ北見という北海道のクラブチームに属している。
「氷上のチェス」と称される理詰めのゲームなので、日頃から一緒に練習していないと、チームとしてうまく機能しないものらしい。そのように理詰めのゲームでありながら、彼女たちには「日の丸なんとか隊」みたいな悲壮感はみじんもなく、投球前に、「ここが狙い目じゃない?」と誰かが発案すると、次々に「そだねー」と相づちを打った。これが流行語大賞を受賞したわけだ。
北海道ではいつも普通に使っている言葉(選手の弁)なのだそうだが、受賞理由のひとつとして、昨今インターネットなどで、殺伐とした言葉のみが人口に膾炙する風潮の中、あたたかい語感の方言が発信されたことで皆に「癒し効果」を与えた、と聞いたときには、流行語大賞も捨てたもんじゃないな、などと思った。
カーリングはまた、英国発祥のスポーツによく見られる傾向だが、試合時間が長い分、休憩も多く「おやつタイム」まで設定されている。これも流行語大賞の候補になった上、彼女たちが食べていたお菓子がたちまち品薄になる、という現象まで起きた。ただ、これでこのスポーツが日本でも一挙に普及するまでにはならないだろうな、とも思った。
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