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韓国レーダ照射への抗議は誤り

Japan In-depth / 2018年12月26日 11時12分

 


なによりレーダ照準への抗議は先例にも反している。冷戦期には大砲を指向されても抗議しなかった。写真撮影で接近した海自飛行機はしばしばソ連艦に砲口を向けられた。だが日本政府は反応していない。


 


さらにいえば日本政府は米海軍の領海内実弾射撃にも黙っていた。米軍艦は東京湾口の日本領海で日本漁船を仮想の砲撃目標として実弾射撃演習までやっていた。正確にズラしていたので当たらなかっただけだ。日本政府はそれでも黙っていた。(*5)


 



写真)USSタワーズ

80年代に米海軍は日本漁船や商船を目標に見立てて実弾射撃をしていた。写真のUSSタワーズが巡視船を砲撃した結果、ようやく問題視された。その1年前には米海軍戦闘機がマレーシア商船を目標に見立てて爆撃を行い死傷者1名を出している。その保障は日本政府が行った。

出典)米海軍写真


 


■ 利益は全く得られない


第二の理由は利益を産まないことだ。


 


今回の抗議により日本は何かを得られるだろうか?


 


そこに利益はなにもない。強いて挙げれば今後韓国海軍が自衛隊機をレーダ照射しなくなる程度だ。あるいは一部愛国者の溜飲を下げる効果があるだけだ。


 


逆に損は大きい。それにより韓国政府との関係は悪化する。今は請求権問題で協力関係が必要な時期にある。日本の不正義の露呈を隠すためには協力してウヤムヤにできる解決法を模索しなければならない。それに水をさす効果しかない。


 


■ 国民感情を刺激する


第三の理由は相互の国民感情を刺戟することだ。


 


照射の公表は日本の対韓感情を刺激する。日本国民の韓国への感情を悪化させ、日本世論に対韓強硬主張を惹起させる。


 


そして韓国の対日感情も刺激する。日本政府や日本世論の韓国批判は韓国国民の対日感情を悪化させ、韓国世論において対日強硬主張を引き起こす。


 


あとは負のスパイラルだ。国民感情での衝突は両国間にある利益の多くを吹き飛ばす。これは尖閣問題で日中ナショナリズムが衝突した際に示されたとおりだ。


 


影響は政治だけではなく経済にも及ぶ。韓国はかつてのような経済小国ではない。「日本が風邪を引けば韓国は肺炎」は30年も前の話だ。仮に日本ボイコットが起きれば日本経済にも影響を生む。これは貿易や投資だけではない。インバウンドにも影響がおおきい。訪日観光客の半分は韓国、残り半分は中国であるからだ。


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