1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

韓国レーダ照射への抗議は誤り

Japan In-depth / 2018年12月26日 11時12分

 


■ 外交機能の不全


なによりも不可解な点は外交的な配慮が全くなされない点だ。


 


従来であれば第一、第二、第三の理由から内閣は防衛省を抑止した。そもそも防衛大臣や内局が発表を止めさせた。それが政府が果たすべき外交機能だからだ。


 


外交の目的はなにより相互対立の抑制にある。自国政府の主張と相手国政府の主張を対立させない。それによる摩擦や衝突、とりわけ国民感情の爆発を避けることが仕事だ。


 


必要に応じて自国政府や国民すら騙さなければならない。それが外交機能あるいは外交当局の役割である。例えば、日中漁業協定による尖閣領有権棚上げはその好例だ。それぞれの政府が責任をもって自国民を騙す形になっている。


 


だが、今回は国務大臣が先頭に立って韓国を非難している。また外交当局の抑制も見られない。


 


おそらくは日本の外交機能は不全状態にあるということだ。これは既に報道された国際捕鯨機構IWC脱退を含めてそれは伺えるのである。


 


■ 日本は韓国の言い訳に騙されるべき


日本は抗議せず、あるいは言い訳に騙されるべきであった。そういうことだ。


 


本当に問題解決を図りたいなら秘密裏にすべきであった。海軍同士、国防省同士あるいは外務当局で内々に解決する。特に相互の国民感情を刺激しないためにはそうするべきであった。


 


いまなら韓国の言い訳に騙されることだ。


 


あるいは「仕返し」である。レーダ照射が気に食わない上、交渉ができないなら内々にそれをすべきである。韓国軍艦や航空機にレーダを照射する。あるいはレーダ妨害といった水準の電子攻撃を行う。そのようなやり方がある。それなら不利益も生じないゲームで終わる。


 


*1 朝日新聞デジタルによると次のとおりである。「能登半島沖の海上で、20日午後3時ごろ、海上自衛隊のP1哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦から射撃用の火器管制レーダーを照射された」


古城博隆「韓国駆逐艦が海自機にレーダー照射 日本政府が抗議」『朝日新聞デジタル』(2018年12月21日19時28分)https://www.asahi.com/articles/ASLDP65TLLDPUTIL05Z.html


 


*2 時事通信は韓国国防省の反応を伝えている。「韓国国防省報道官室は『通常の作戦活動中だった。(海自)哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない』と説明」


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください