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2018年「国際秩序の風化」進行中

Japan In-depth / 2018年12月27日 19時35分

もう一つ気になるのは欧州情勢である。今年一年、欧州方面ではロシア「帝国の逆襲」、東欧の「先祖返り」、西欧での「ダークサイドの覚醒」が極まったのではなかろうか。ここでも暗躍するのがトルコで、あまり知られていないが、「トルコストリーム」と呼ばれるロシア・トルコ間のガスパイプラインが欧州を引っ掻き回しそうだ。


総じて、2018年は世界中で、これまで音もなく静かに進んでいた従来の「国際秩序の風化」がついに顕在化し、今や音を立てて変化し始めたような気がする。こうした状況の結末は何なのだろう。過去一年間のご愛読に感謝するとともに、来年もこのテーマで外交安保カレンダーを書き続けていきたい。皆さま良いお年を!


 


〇 東アジア・大洋州


12月20日、韓国海軍艦艇が海上自衛隊P1哨戒機に火器管制レーダーを照射したとされる問題が発生した。韓国側は同国艦艇が遭難した北朝鮮漁船を捜索中、接近していた日本の哨戒機に向けて映像撮影用光学カメラを使用したと主張しているそうだが、これを額面通り受け止める日本側関係者は少ない。


光学カメラを使う際は追跡レーダーも作動させるが、哨戒機にビームは照射しなかったという。射撃統制レーダーは遠距離にある海上の物体をより正確に識別できる。韓国海軍によれば、当時射撃統制レーダーは対空用ではなく、対艦用のモードで運用していたそうだ。お粗末な誤解に終われば良いのだが。


 


〇 欧州・ロシア


英国のEU離脱問題が迷走している。英国の女性首相は一部で、サッチャー氏ほど「鉄の女」ではない、などと批判されているようだが、それはちょっと可哀そうだ。メイ首相が引き継いだ英国は1980年代の冷戦真っ最中の英国ではない。むしろ、あの英国ですら混乱するようになった欧州を心配すべきではなかろうか。



▲写真 2017年6月9日、総選挙の結果を受けてダウニング街10番地前で演説をするメイ英首相、 右の人物は夫のフィリップ 出典:Wikipedia


 


〇 中東・アフリカ


〇 南北アメリカ


今週のハイライトは米国防長官の解任である。「そして誰もいなくなった」という言葉が相応しいトランプ政権の惨状だ。直接の引き金はシリアからの米軍撤退という大統領の衝動的、直感的決断だったといわれるが、本当にそうなのか。「大失敗で悲惨な結果を生む」と批判されているが、筆者の見立てはちょっと違う。



▲写真 2017年2月3日、総理大臣官邸にて内閣総理大臣安倍晋三(右)と 出典:Wikipedia


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