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ポイント還元策増税ショックを拡大 ~2019年を占う~【日本経済】

Japan In-depth / 2018年12月29日 15時32分

ポイント還元策増税ショックを拡大 ~2019年を占う~【日本経済】


小黒一正(法政大学教授)


 


【まとめ】


・政府のポイント還元策は増税ショックを増幅するリスクあり。


・19年10月以降、ポイント還元幅を2か月毎に縮小し10か月でゼロにしてはどうか。


・景気拡張期が2020年まで続く可能性は低い。


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=43426でお読みください。】


 


 政府は2018年12月21日に閣議決定を行い、国の2019年度予算案(一般会計・当初予算)を決定した。2019年度の当初予算案の歳出総額は101.5兆円となり、過去最大であった2018年度の約97.7兆円(当初予算)を約4兆円も上回った。


 


 当初予算のみでなく、例年、政府は補正予算を組むケースが多い。2018年度予算は補正予算を2回編成し、それを織り込んだ2018年度の歳出総額は約101.4兆円であった。歴史的にこの額が過去最大であったが、2019年度予算案は当初予算で既にそれを上回る規模となった。2019年度は参議院選挙もあり、追加で補正予算を編成すれば、さらに歳出総額は過去最高を更新するはずだ。



トップ写真)日本円

出典)photoAC; tom200


 


 当初予算で歳出総額が4兆円も膨らんだ主な理由は、増税対策などである。対策には様々な項目があるが、このコラムでは、増税対策の一つである「キャッシュレス決済でのポイント還元」について簡単に考察してみよう。


 


 当初、政府は、次のような方向性でポイント還元策の検討を進めていた。具体的には、


 


1)大企業以外の小売店で現金を使わないキャッシュレス決済をした場合、1年間という期限付きで、増税分(2%分)をポイントとして還元する。


2)ポイント還元の対象としては、クレジットやデビットカードのほか、電子マネーやQRコードでの決済も含める


 


というものだ。



写真)キャッシュレス決済(イメージ)

出典)Wikimedia Commons


 


ポイント還元策はキャッシュレス決済を促進させる起爆剤となる可能性があり、筆者もその政策的意義は理解しているつもりだが、2018年11月下旬、安倍首相がキャッシュレス決済で5%のポイント還元の検討を表明したことから、状況が一変した。


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