平成生まれと「Eジェネレーション」(下)
Japan In-depth / 2018年12月31日 23時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・「Eジェネレーション」は1つの地域、1つの文化に固執しない。
・インターネットにあふれる情報は玉石混淆。
・辺野古に対するローラの発言は「第二の三里塚」にならない理由。
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今年、沖縄出身のダンス・ボーカルユニットDA PAMPの『U.S.A』という楽曲がメディアを席巻した。YouTubeの再生回数は秋までに1億回を超えたという。「Come on baby アメリカ」というサビといい、衣装に採用した「90年代ファッション」といい、私などが視聴すると、どことなく昭和の匂いが漂う曲だが、若い層にはこれが「ダサかっこいい」と映ったらしい。
前回、ヨーロッパの「Eジェネレーション」もわが国の「平成生まれ」も、地域の伝統的なコミュニティーよりも、インターネットなどで繋がる、いわば二次元のコミュニティーに強い帰属意識を持つ傾向がある、という話をした。
これはもちろん「上の世代の目には、もっぱらそのように映る」という話で、例外はいくらでもあるし、1989年=平成元年に冷戦が終結して以降、国境を越えて人や情報が自由に移動する傾向に拍車がかかった事実を反映しているに過ぎない。
冷戦の一方の主役であったソ連はもはや存在しないわけだが、ヨーロッパの若者が米国に対して向ける目も、過去30年でだいぶ変化しているようだ。
現在30歳以下の「Eジェネレーション」は、ヨーロッパ統合の成果を享受しており、米国を世界の盟主だなどとは、もはや考えない。今や「西側世界」も存在しないのだから、当然と言えば当然だろう。
だからと言って、ヨーロッパの古い文化に固執して、アメリカなにするものぞ、などと気負うわけでもない。げんに彼らは、米国発のカジュアルアイテム(具体的には、リーバイスのジーンズ、GAPのトレーナー、コンバースのスニーカーなど)が大好きだ。
こうした若者を育てた、ヨーロッパ統合という事業が、どのような経緯で成り、また将来に向けてどのような問題を抱えているのか、私は英国とヨーロッパ大陸諸国との思惑のズレも含めて、『国が溶けて行く ヨーロッパ統合の真実』(電子版配信中)という一冊にまとめた。来年は英国のEU離脱問題も正念場を迎えるし、この問題に関心のある向きは是非……と書きかけた手前、最近の評判はいかに、と思って、ずいぶんと久しぶりにamazonをエゴサーチしてみた。おおむね好評なので有り難かったが、昨年暮れに「言語に関してはデタラメだらけ」と題するレビューが投稿されていた。
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