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平成生まれと「Eジェネレーション」(下)

Japan In-depth / 2018年12月31日 23時0分

「私は政治や経済には素人なのでこの本全体は評価できませんが」


との書き出して(だったら、黙ってて欲しいなあ)、なにがデタラメなのかと言うと、統一通貨の名称について、EUROPEの最初の四文字であるEUROを採用、という私の文章を引用し、「EUROPEは仏語でもEUROPEだし、元を辿ればギリシャ語で、神話にでてくる王女の名前です」と、なにやら知識をひけらかすような書きっぷり。英語由来の名称が一番無難だから、という理由で決められたことは、たとえ「素人」でも、本書を含め、ユーロに関する基礎的な解説書を読めばすぐに分かることなどだが。


ついでに言っておくと、ヨーロッパの語源がギリシャ神話というのは「諸説あり」というレベルの話で、私はフェニキア語語源説を採っている。これも、本文に明記してある。


最後は、スペインではかつての通貨ペセタが女性名詞であったのに対し、ユーロは男性名詞(よって混乱が予想された)という私の解説に対し、「EUROが多くの言語で男性名詞なのは、EUROPEとは関わりなく、Oで終わる単語は男性という連想によるものです」と、またしてもトンチンカン。そして、「政治・経済・歴史などを学ぶ学生が、この本で言語に関してデタラメな知識を身に着けると困るので星一つとします」と結んでいる。脳内を多数の星が巡っているような御仁とお見受けするが、まあ「素人」相手に言いつのるのも大人げないので、学生よりも自分のデタラメな日本語能力をまず心配すべきでしょう、とだけ述べておく。


こういうものが堂々と「書評」として発信され、しかも一定の確率で真に受ける人がいる(参考になった、とした人は1年間で2人だけだったようだが)というところに、ネット社会の怖さがある、とはあらためて思ったが。


そうかと思えば、SNSの威力をあらためて思い知らされたこともあった。タレントのローラが、「沖縄の美しい海を守ろうよ」と、辺野古の埋め立て工事中止を求める署名をインスタグラムで呼びかけた件である。


ホワイトハウスの嘆願サイトに名前とアドレスを書き込むだけでよく、一定期間内に署名が10万筆以上集まれば、ホワイトハウス側も内容を検討するという。彼女の影響力はさすがで、あっという間に目標の10万を超えたそうだ。



▲写真 沖縄県名護市辺野古 出典:Kugel~commonswiki


辺野古の工事について、私はかねてから、このままでは「第二の三里塚」になりかねないぞ、と危惧を表明してきたのだが、やはり平成生まれは、やり方がずっとスマートなのだな、と感銘を受けた。


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