英米政治システムの機能不全
Japan In-depth / 2019年1月22日 19時39分
ところが、今のように社会が不安定になり始めると、英首相にせよ、米大統領にせよ、意思決定者の判断が合理性を失っていく。そうなると、合理性ではなく、「勢い」、「偶然」、「判断ミス」といった不確実性の高い要素で重要な判断が決まる頻度が高まっていくのではないか。トランプ氏やメイ女史の言動を見ているとつくづくそう思うのだ。
こうした各国政治家の「勢い」、「偶然」、「判断ミス」に基づく決断を批判することは簡単だが、それで一度始まった流れが止まる訳ではない。それどころか、これらの「勢い」、「偶然」、「判断ミス」で生じてしまった新たな国際情勢は、それ自体不可逆的なものとして自律的に動き始め、最終的には「新常態」として定着していくのである。
歴史が動く時代には、こうして「新常態」化した新たな不確実性に満ちた国際情勢に対応し、政治指導者たちが再び新たな「勢い」、「偶然」、「判断ミス」を繰り返していくのだろう。恐らく1930年代、40年代はそのような時代だったのではないか。されば、歴史の評価は後世の歴史家に任せ、我々は日々の「新常態」を追うしかなくなる。恐ろしい時代が始まったものだ。
〇 東アジア・大洋州
中国の成長が鈍化したことで一部経済記者や市場関係者が懸念を持ちつつあるようだ。しかし、これって何年も前から予測されていたことではないか。今頃こんな記事が出るということは、市場が新たな「材料」を見つけただけのこと、と考えるべきなのだろうか。
いずれにせよ、今の数字なんて、まだまだ序の口だ。これからは、もっと深刻な問題が噴出しそうになり、それを共産党が力づくで押さえようとして無茶をする。その無茶が数年後またブーメランとして中国の実体経済に戻って来る。こんな異常な状態を中国は何時まで続けるつもりなのだろうか。
〇 欧州・ロシア
22日に日露首脳会談がある。この会談後の記者会見は注目に値するだろう。先週の日露外相会談でどの程度「地ならし」が出来たのか、逆に地面を掘り返してしまったのではないかと危惧する向きもあろう。しかし、ラブロフという人の役割はその程度のものだ。プーチン大統領と役割分担をしていると見るべきだろう。
▲写真 安倍首相とプーチン大統領(G20にて 2018)出典:ロシア大統領府
〇 中東・アフリカ
あまり大きなニュースになっていないが、イスラエルはシリア国内のイラン革命防衛隊の拠点に対し大規模な攻撃作戦を続けている。一方、トルコとロシアが合意した非武装地帯では本来各過激派が武装解除を進めるはずだったが、状況は逆の方向に進んでいる。
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