日本はGAFA後追い止めよ
Japan In-depth / 2019年1月24日 11時0分
嶌信彦(ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・「平成」は“熱さ”やエネルギーの爆発がみられない“ぬるい時代”。
・実態は“失われた30年”。日本のみならず世界も低成長時代に突入。
・日本はGAFA後追いでなく、得意な製造業から平成後の新境地切り開け。
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まもなく「平成」が終わる。そのためか「平成」とは、どんな時代だったのか、という総括、論評が様々なメディアで取り上げられている。私の感想は「“熱さ”やエネルギーの爆発がみられなかった“ぬるい時代”だった」という思いが強い。
平成が始まったのは、1989年の1月だった。時は昭和バブルが崩壊する直前で、翌90年にバブル崩壊を迎えた。崩壊直前の日経平均株価の高値は89年12月29日の3万8915円だった。当時はまだバブルの酔いの中にあったから、日本経済はまだまだ成長し、株価は4万円台に突入し5万円台も夢ではないといった雰囲気にあった。
▲写真 東京証券取引所(2011年12月26日)出典:Dick Thomas Johnson flickr
■ 株価は昭和ピーク時の半値
しかし、実際は3万円台をピークにその後下落し続け、2002年1月の日経平均は1万円前後をウロウロしている。一時は7,054円台(2009年3月10日)まで落ち込んだこともあった。日本企業は当初、バブル崩壊は一時的なものとみなすところが多く、ほどなく復活、再生すると考えていたようだ。しかし、1年経っても2年経っても成長軌道に戻らない現実を見るとともに、国民の消費意欲がかつてのような旺盛さを日ごとに失われていく実情をみて、もはやかつてのような昭和バブルの復活はないと観念した。
そして90年代の経済衰退を“失われた10年”と呼び、2000年代も続いたことから“失われた20年”と呼ぶようになったのだ。しかし、株価がピーク時の半分も戻していない現状を考えると実態は“失われた30年”であり、昭和の繁栄時代に戻ることが日本経済の復活・再生とみる考え方はもはや間違いであると肝に命ずるべきなのだろう。
■ 物価2%の上昇目標政策は失敗
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