トランプ氏、非常事態宣言で壁建設可能?
Japan In-depth / 2019年2月6日 12時27分
そんなことが認められるなら、民主党大統領は法律を作ることなく「非常事態宣言」を発布して「銃規制」を強化することが可能になるのか。それが認められれば、もう議会も行政府もない、民主主義は一体どうなるのか、という議論になるはずだ。でも、実はこれが必ずしも無茶苦茶ではないらしい、という話をしよう。
報道によれば、トランプ氏のこの「暴言」を受け、ホワイトハウス、国土安全保障省、国防総省の法律専門家が既に議論を始めているそうだ。憲法上、大統領はその裁量の範囲内で合衆国が非常事態にあることを宣言することができる。しかし、同宣言によって大統領が壁建設の資金を使うことが法的に認められるかどうかは疑問だ。
例えば、朝鮮戦争の際にトルーマン大統領は非常事態を宣言し米国の鉄鋼業を国有化しようとしたが、当時の米最高裁は大統領にその権限はないと判断したそうだ。他方、合衆国法典第10編の規定によれば、米軍は非常事態の際に国防総省に割り当てられた使途目的自由予算の範囲内で建設計画を実施することが可能だという。
されば、トランプ氏はこの規定を使って米軍に壁を建設させることは不可能ではないとの意見もあるそうだ。最終的には問題は法的ではなく、政治的なのか。それにしても、何と「毎度お騒がせの大統領」なのだろう。
〇東アジア・大洋州
6日にファーウェイ副会長がカナダ・バンクーバーの法廷に出頭する。まだ米国は彼女を起訴しただけ、カナダに犯罪人引き渡しを求めてはいないはずだが、春節中のタイミングには何らかの意味があるのだろうか。一方、2月4~5日、メルケル独首相が公式実務訪問賓客として訪日する。同首相の訪日は5回目だが、どうなることか。
〇欧州・ロシア、中東
3日からローマ法王が中東湾岸地域としては初めてアラブ首長国連邦を訪問するという。日本では大ニュースにならないが、欧米では結構大きく報じられている。これまでのキリスト教とイスラム教の関係を考えれば、この訪問は決して儀礼的なものではなく、政治的意味すら持つから要注意だ。
法王は3日夜にアブダビ到着、4日昼に公式歓迎行事、夜には宗教間対話の行事に参加する。アブダビにはフィリピン人メイドなどカトリック教徒が少なくない。これが両宗教の和解に繋がるか気になるところだが、それにしてもなぜアブダビなのだろう。本当はサウジアラビア、メッカ、メディナに行ければ良いのだが、時期尚早なのか。
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