トランプ氏、在韓米軍撤収せず 偽ニュース再び
Japan In-depth / 2019年2月7日 18時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・米韓関係に関する日本メディア・有識者たちの画一的発言。
・反トランプメディアは根拠の薄い未確認情報を事実の様に公表。
・在韓米軍撤退、撤収に関しトランプ大統領は一度も言及していない。
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アメリカのトランプ政権の日本側での読み方にはあいかわらずフェイクニュースと呼べる種類の情報が多い。「トランプ大統領は米韓同盟をはじめアメリカと諸外国との同盟関係を解消したがっている」という情報もその偽ニュースの範囲に入りそうだ。この情報は客観的な事実を伝える正確な報道であるかのように日本の各大手メディアをにぎわせていた。
ところが、である。
「米大統領 在韓米軍撤収せず」という見出しの記事が日本の各新聞に載った。2月4日、5日の紙面である。産経新聞のこの記事の冒頭は以下のようだった。
「トランプ大統領は2月3日、放映されたCBSテレビとのインタビューで、朝鮮半島情勢に関し、在韓米軍の撤収を『計画していないし、撤収に向けた協議をしたこともない』と述べた」
これまで日本の新聞もテレビも「トランプ大統領は米韓同盟の縮小や撤廃を望んている」という趣旨の情報をあたかも事実の報道であるかのように流し続けてきた。その内容は日本の各メディアや識者とされる人たちの言明として奇妙なほど画一的だった。一人が「在韓米軍撤退だ!」と叫ぶと、100人がまったく同じ中身で呼応するという感じだった。トランプ大統領の読み方での日本型群衆心理、集団言動とでも呼ぶべきか。
ではトランプ大統領が米韓同盟を止めたいと思っているという情報の根拠はなにかとなると、年来の反トランプのアメリカのメディア、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNテレビなどがその源だった。しかも実名をあげない「消息通」や「トランプ政権筋」がもらした言葉という範疇の根拠で終わってしまう。
アメリカが年来の同盟を止める、というのはいまやアメリカの敵であることが明白となった中国やロシアの政治宣伝とも合致する。要するに内外のトランプ叩き勢力のスピン(ひねり)の効いた情報だという場合が多いのだ。要するに未確認情報が事実のように伝えられてきたのである。だがあくまで事実ではなかった。
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