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パフォーマンス理論 その3 親

Japan In-depth / 2019年2月16日 11時0分

 


私は早い段階で世に出たこともありプライドが高いようなところがあったので、こうした母親の基本姿勢の影響を受けていることに支えられた。直接競技には関係ないが、私はこの傾聴力が競技の根本部分に影響を与えているように思えてならない。ちなみに読む方で行くと、寝る前の読み聞かせで私の言語能力の根幹ができたように思うので、うちの子にはだいたい毎日私か妻かが読み聞かせをするようにしている。


 


簡単にまとめてみると私に影響を与えたうちの親の特徴は、


・子供を個人として尊重する


・淡々として一喜一憂しない


・他人の話を感心しながら聞く


だろうか。ポイントはどれも親の教育方針として意識的に立てたものではなく、自然な振る舞いとして持っていたもので、結局はChildren see Children doなのだろうと思う。


 


念の為補足しておくと、おそらく全く違う育て方ですごい選手になった例もあるだろうし、統計を取ってみるとこれもまた違うだろう。また私自身の性格が普通ではないというのも認識しているので、このような選手にはこのような親の方針が合ったという一例として見ていただければと思う。


 


私なりの結論は子供が才能を持っていると思った時点で一番いい親の態度は、自分の人生に集中することだ。目標を持てと言っている親自身に目標がないこととを、子供はすぐ察知する。負けるなと言っている親が、ちゃんと勝負しているかを子供はちゃんと観察している。だから細かいことは言わずに、このように生きてほしいという生き方を自分の人生で生きて見せるのが一番いいように思う。


 


子供の成功には親の影響は大きいが、一方で結局本人次第ということでもある。本人が勝ちたくないものを勝たせることはできない。もちろん親の多大な助けはあったが、結局私は勝ちたかったから最後まで走りきっただけかもしれない。そして運よく途中で外部からの介入が少なかった。どんなに才能があっても本人が最後の最後まで行きたくなければ行けない。もったいないとおもうかもしれないが、それも本人の人生だ。結局なるようにしかならないのだろうなとも思う。


 


息子に姿勢を良くするように言っているが、私は考え事をする時にポケットに手を突っ込んで背中を丸めて歩く癖がある。ある日4歳の息子がポケットに手を突っ込んで背中を丸めて歩いているのを見て、いろいろ観念した。


 


(この記事は2019年1月20日に為末大HPに掲載されたものです)


トップ写真:親子のイメージ画像 出典:pixabay


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