板挟み承知で新司法長官に ウィリアム・バーの勝算 トランプ政権「行く人来る人」列伝1
Japan In-depth / 2019年2月17日 10時31分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・トランプ氏は司法長官=自分の立場を守る専属弁護士と誤解。
・民主党上院議員も納得する人物として急遽バー氏が擁立された。
・しかし、バー氏がトランプ氏を擁護するかは未知数。
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ウィリアム・バー司法長官(前任者ジェフ・セッションズ)
ロシア政府との癒着度:0
ドナルド・トランプとの親密度:★
任務に対して有能か:★★★★
任期を全うできそうか: ★★★
2月14日に米議会上院によって54対45で承認されたばかりの新司法長官、ウィリアム・バー。1991-93年にもジョージ(父)・ブッシュの元で司法長官を務めた経験を持つベテラン弁護士が米司法官としてトップの地位に返り咲いた格好となった。
ブッシュ政権後、民間の法務顧問を経て引退していたバーが再び政治の表舞台にカムバックするように指名されたのは、ドナルド・トランプ大統領のスタッフが用意した人材リストの中で唯一、民主党に大反対される理由がない人選だったからだろう。
トランプ大統領は、司法長官というものを自分の立場を守るための専属弁護士だと誤解している。自らのロシア政府との接触を隠蔽していたことが明るみに出たため利害関係が発生し、そのためにロバート・マラー特別検察官率いるロシア疑惑捜査の監督役という任務を忌避せざるをえなかったジェフ・セッションズ前司法長官とトランプは度々対立し、結局2018年11月にセッションズは辞任となった。
写真)ジェフ・セッションズ氏
出典)Flickr; Gage Skidmore
その直後、トランプがロシア疑惑の捜査内容を探るために司法長官代理に任命したマシュー・ウィテカーという男があまりにも無能で、上院議会公聴会で偽証をした疑いで現在も何度も召喚しなおされており、早急に民主党の上院議員も納得する人物を擁立する必要があったため、トランプと面識のないバーを指名するに至った。
写真)マシュー・ウィテカー氏(2016)
出典)Flickr; Go to The Ray Center - CHARACTER COUNTS!'s photostream
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