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反トランプ「ヘイトクライム」でっちあげ

Japan In-depth / 2019年2月22日 23時0分

反トランプ「ヘイトクライム」でっちあげ


古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視 」


【まとめ】


・ゲイの黒人有名俳優が"トランプ支持"の暴漢に襲われたと届け出。


・民主党議員が一斉に保守陣営を批判したが、事件は捏造と判明。


・トランプ政権への非難は虚構が多い。虚構への非難も起きにくい。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=44294でお読み下さい。】


 


アメリカのシカゴでかなり有名なゲイの黒人俳優がトランプ支持とみられる暴漢2人に襲われ、ゲイを侮辱する言葉を浴びせられたと警察に届け出た。すぐに全米に広く報じられたこの事件の被害者に大統領候補をも含むリベラル派の政治家たちが相次いで同情を述べ、保守陣営を非難した。ところがこの「事件」が実はでっちあげとわかり、同俳優は刑事訴追されるという破目となった。いまのアメリカのリベラルと保守の対立のゆがみを象徴する出来事だと言えよう。


 


発端はこの1月29日、シカゴだった。シカゴ在住の黒人の俳優兼歌手ジャシー・スモレット氏(36)が地元警察に「暴漢に襲われた」と届け出た。届け出によると、スモレット氏はこの日午前2時ごろ、シカゴ市街の自宅近くで屈強な男2人に殴られ、化学薬品なようなものを体にかけられ、ロープを首に巻き付けられた。男たちは「ここはMAGAの国だぞ!」とどなり、ゲイへの侮蔑的な言葉をぶつけたという。


 



▲写真 トランプ支持派の暴漢に襲われたとの訴えが虚偽とされた俳優のジャシー・スモレット氏


出典:Sister Circle Live(Wikimedia Commons)


 


届け出では、このロープは白人至上の過激団体KKK(ク―・クルックス・クラン)が黒人虐待に使ったのと同種の縄だった。


 


MAGAはトランプ大統領の政治スローガン「アメリカを再び偉大に」の頭文字をとった略語である。またスモレット氏は同性愛志向を公言し、さらに政治的には反トランプの立場を誇示してきた。


 


この届け出は少数民族やゲイを憎むヘイトクライム(憎悪犯罪)の典型として全米に大々的に報道された。スモレット氏は現在、20世紀フォックステレビ制作の連続テレビドラマ「エムパイア(帝国)」に出演中、その以前から子役や歌手として芸能界で活躍し、全米でもかなり知られた俳優だった。


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