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専制政治家ご用達ロビイスト マナフォート氏の深い闇  トランプ政権「行く人来る人」列伝2

Japan In-depth / 2019年2月27日 18時19分

 


現在、ロシア政権による大統領選挙への妨害行為を捜査しているロバート・マラー特別検察官が焦点を当てている2016年6月9日の「トランプタワー会議」にマナフォートも出席していたことがわかっている。表向きはアメリカ人がロシア人孤児を養子に取りやすくする政策のための会合だとトランプ自らが言い訳しているが、おそらくこの場で話し合われたのは、オバマ政権時代にロシアに対する制裁を強化したマグニツキー法をトランプ政権誕生後にいかに緩和するか、ということだったという見方が強い。



▲写真 ロバート・マラー特別検察官 出典:FBI


 


結局マナフォートは、マラー特別検察官による調査結果に基づき、2017年10月30日にFBIによって逮捕された。罪状は脱税、マネーロンダリング、銀行詐欺、違法なロビイスト活動、陰謀罪、偽証罪など多岐に渡り、主に金に関する罪状はマナフォートが居住するバージニア州で、残りの違法なロビイスト活動に関する罪状は首都ワシントンの法廷で別々に裁判をすることになった。


 


マナフォートはすべての罪状に対し無罪を主張したが、バージニアの初審で有罪判決を受けた。一方で、昨年9月に始まる予定だった2つ目の裁判を目前に、マナフォートはマラー特別捜査官の調査に協力することを条件に和解しようとしたが、それでもなおマナフォートは検察側に対して全ての事実を自白することなく偽証を繰り返したので、来月早々審判が下される刑期についても情状酌量の余地なし、というのが特別捜査官側からの判断だ。これはおそらく彼の胸中では、なるべくドナルド・トランプに不利なことは証言せずにやりすごし、有罪判決を恩赦してもらおうという魂胆があったからだろう。


 


だが、トランプはこれまでマナフォートを「気丈な男だ」と誉めこそすれ、恩赦するつもりだと明言していないし、既にマラー特別捜査官の調査に全面的に協力して無罪となった元外交アドバイザー、マイケル・フリンに対して見せたような同情的な態度もない。トランプは、自分と違って洗練されたヨーロッパの紳士、というイメージのマナフォートに親近感も恩義も感じていないのである。ちなみにバージニアの自宅がFBIによって強制捜査された時、1万5000ドルもするダチョウ皮やヘビ皮のジャケットが晒され、マナフォートの贅沢ぶりが露見している。



▲写真 マイケル・フリン氏 出典:Wikipedia; Defense Intelligence Agency website


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