バブル時代の歩き方(中)~ロンドンで迎えた平成~その2
Japan In-depth / 2019年2月28日 7時0分
と私は思った。
ロンドン支店にまでわざわざ社員食堂を作り、それも、ロンドンでは最古参と言われた日本レストランの板長をヘッドハンティングし、鰻重など食べていたのはどこの誰だ、という話である。余談だが、証券業界では「うなぎ登り」に通じるとして、縁起のよい食べ物とされていると聞く。さらにどうでもよいことだが、シェイクスピアの故郷である、イングランド中部のエイボン川流域は、天然鰻の産地だ。
▲写真 エイボン川 出典:pixabay; InspiredImages
ロンドン支店でこれだから、日本国内で彼らが見せた成金趣味たるや、推して知るべし、ではあるまいか。
とどのつまり、バブル期の日本人ビジネスマンというのは、高度経済成長時代の「成功体験」を背景に、どう考えても思い上がっていた。私自身も、ロンドンの日系企業で働く駐在員について、「彼らは今や、敵前上陸を敢行する尖兵ではなく、勲章をぶら下げた進駐軍なのだ」と評したことがあるのだが、冒頭で引用した深田祐介のエッセイについては(言わんとするところは、もっともだと思いつつも)、少し訂正の余地がありはしないだろうか。
私の目には、高度経済成長時代の日本人ビジネスマンは、司馬遼太郎が『坂の上の雲』で描いた明治の日本軍人の再来で、日露戦争に辛くも勝利したことで「無敵皇軍」などと思い上がった日本軍の末路が、バブル崩壊後の惨状と二重写しに見えてならない。
しかしそれでは、バブルの全てが否定されるべきなのかと言われると、私にも、然りとは答えられない部分がある。
次回は、その話を。
(本シリーズ上。全3回)
トップ写真:羽田空港を飛び立つJAL Boeing 747-400D 出典:Wikipedia; Uryah
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
職場で優遇されるのは若者とシニアばかり…働く40~50代が日本経済の「最大の被害者」であるワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月26日 16時15分
-
中国で相次ぐ「無敵の人」政府が恐れる"爆発の芽" 豊かな頃から一変、経済不安が渦巻く社会に
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 12時0分
-
「かつては普通の生活商店街だった」――横浜中華街165年の歴史を辿る
&GP / 2024年11月24日 17時0分
-
トランプ氏当選確実に、米大統領選。日経平均5万円、5年以内に達成と予想する理由(窪田真之)
トウシル / 2024年11月7日 8時0分
-
若者に昇進の打診をすると嫌がられる!? 出世したくない若者が増えている理由とは
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月31日 22時0分
ランキング
-
1「男が女性客を殴った」非番の女性警察官に因縁をつけて顔面殴打、一緒にいた同僚警察官にその場で逮捕…泥酔の72歳の男「覚えていない」北海道小樽市
北海道放送 / 2024年11月29日 8時56分
-
2同級生に押され川に入ったか…高校生が溺れて死亡した事故 川に飛び込ませ死なせた疑いで3人を書類送検
東海テレビ / 2024年11月29日 11時28分
-
3斎藤知事、逃げ切れても「残される"2つの疑念"」 「公職選挙法違反」疑惑は、ほぼ"ノーダメージ"?
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 7時40分
-
4【独自】放火疑いの41歳男性『楽しいことするよ』事件発生10分前にSNSに投稿 札幌すすきのガールズバー「ミリオン」爆発火災で犯行予告か
北海道放送 / 2024年11月29日 11時26分
-
5男女の従業員が客を接待…“ミックスバー”と呼ばれる風俗店を無許可で営業か 代表の26歳男を逮捕 容疑認める
東海テレビ / 2024年11月29日 6時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください