金正恩に非核化の意思なし 1
Japan In-depth / 2019年3月6日 14時49分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・金委員長の目的は「非核化」ではなく「核軍縮交渉」だった。
・核交渉のスペシャリスト・ボルトン補佐官が暴いた北朝鮮の嘘。
・北朝鮮は秘密裡に「水素爆弾」の開発を続けようとしていた。
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第2回米朝首脳会談が2月27日~28日にベトナムのハノイで開かれた。この会談に臨むために、北朝鮮の金正恩委員長はなぜか片道60時間以上もかけて列車で往復した。23日に行われた平壌駅での「見送りセレモニー」は、あたかもトランプ大統領に「核保有」を認めさせたかのような騒ぎぶりだった。
翌日24日の労働新聞は、昨年のシンガポール会談時とは異なり、早々とこの「出陣式」を1面で大々的に報道した。今回の米朝首脳会談で「米国と合意」が成立するとみていたからだ。朝鮮中央通信は2月28日、正恩氏が「今回の会談でみんなが喜ぶ立派な結果が出るだろう、最善を尽くすという意義深い言葉を述べた」と伝えていた。
だが今回の会談で米国側は、金正恩委員長が本心から「非核化」しようとしているのか、それとも核を保有しながら「核軍縮」を進めようとしているのかを見極めようとしていた。北朝鮮側はこうした米国側の意図については知る由もなかった。韓国にも情報は入らなかった。
第2回米朝首脳会談の過程で、トランプ大統領は金正恩に非核化する意思がないことを確認した。トランプ大統領は28日の拡大会議で、ボルトン補佐官が提示した「ウラン濃縮秘密施設資料」を見て驚く金正恩委員長の姿を見て、「非核化しない金正恩の意思」を見て取った。そして北朝鮮の主張する「朝鮮半島の非核化」が「核軍縮交渉」を意味するものと理解した。
トランプ大統領は、金正恩と文在寅の「非核化ショー」に引きずられ、第1回会談では罠にはめられたが、第2回会談では安易な取引に反対する米国議会や情報機関などの警告もあって慎重に対峙した。
今回の会談での成果は、一言で言って北朝鮮に非核化の意思がないことをトランプ大統領が確認したことだと言える。
1)「真実のとき」を迎えた二日目の拡大会議
2日目(2月28日)の拡大会議では、米国側メンバーとして新たにボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官が参加した。彼はトランプ大統領のある思惑でエアフォースワンには同乗せず個別にハノイに来ていた。北朝鮮が核交渉のスペシャリストで強硬派のボルトンを警戒していたからだ。
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