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パフォーマンス理論 その5 短所

Japan In-depth / 2019年3月10日 23時46分

さらにこのようにずっと意識をしていると、丁寧にやろうとする癖がついて、我を忘れたような思いきった力が出せなくなることがある。欠点の克服は大事だが、頭でっかちになってはならない。スポーツはなんだかんだ出力が大きい人間が圧倒的に有利だから、思い切ってのびのび動くことを損ねてはならない。週に一回は全く動きを意識せず思い切って力を出す練習をやっておいた方がいいと思う。


最後にメンタルを短所として捉えている人も多いが、ものの見方はある程度変えられても、自分の性格を矯正できるとは考えない方がいいと思う。心そのものに手をつっこむと迷路にはまる。むしろそのままの性格の自分でも力を出せるような物事の捉え方を身につけた方がいい。


例えば私は、強い集中力があったが、ムラがあり毎回いい結果を出すことが難しかった。それを改善しようとしたこともあったが、うまくいかず、あまり受け入れたくはなかったが一発屋として自分を認識し、好不調のゆらぎを受け入れて、勝負所だけは一発狙うように考え直した。


これは陸上の話に偏っていて、例えば格闘技のような欠点があればそこを相手が狙ってくるような競技では短所は必ず改善しなければならないのかもしれない。いずれにしても短所の改善は競技には不可欠だが、自分らしさを失ってはならない。他人を変えるより自分を変えることが重要だと言われれるが、変わらない自分でいても有利になるような戦略や戦場を選ぶことはもっと重要だ。


It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent, but the one most responsive to change


最も強いものが生き残るのでもなく、最も賢いものが生き残るわけでもない。最も変化に適応したものが生き残る


チャールズ・ダーウィン Charles Darwin(1809-1882)


※この言葉はダーウィンではなく経済学者のメギンソンという方の言葉だそうです。ご指摘いただいた御立さんありがとうございます!


(この記事は2019年2月3日に為末大HPに掲載されたものです)


トップ写真:Pixabay Photo by semeyas


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