政界の工作員ストーンの沈黙 トランプ政権「行く人来る人」列伝4
Japan In-depth / 2019年3月11日 23時9分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・ニクソン崇めるストーン氏、対立候補のスキャンダル暴いて貶める役。
・ストーン氏、影の応援団長としてヒラリー陣営攻撃。
・偽証罪などで起訴、緘口令敷かれ現在は沈黙を守っている。
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ロジャー・ストーン(一時期トランプ陣営のコミュニケーション顧問、ロビイスト、弁護士)
ロシア政府との癒着度:★★★★
ドナルド・トランプとの親密度:★★★★
任務に対して有能か:★★★
任期を全うできそうか:(正式には既にトランプと袂を分けた)起訴、公判待ち
目立つことが何よりも好きな政界のお騒がせ者といえば、ドナルド・トランプ大統領の周りではロジャー・ストーンの右に出る者はいないだろう。ロビイスト、コンサルタント、弁護士など様々な肩書きを持つが、彼を一言で表すとすれば、dirty trickster(汚い裏工作員)、つまりは政治家の選挙活動の中でopposition researchと呼ばれる対立候補のスキャンダルを暴いて貶める役どころだ。
何しろストーンが崇めるアイドルは、70年代ウォーターゲート事件の発覚によって辞任に追い込まれたニクソン大統領なのだ。実はストーンの背中、首のすぐ下の部分にはニクソン大統領の顔がタトゥーされている。現在公判待ちで箝口令を食らうまでは、法廷の外で記者陣が待ち構えているのを目にする度にピースサインの両手を広げて見せるのも、これがニクソンがホワイトハウスを去る際に、ヘリコプターに乗り込む直前にとったポーズだからだ。
▲写真 ニクソン大統領(右)出典:Flickr; White House Photo Office
そのロジャー・ストーンとドナルド・トランプの交友は90年代に遡るが、不動産ビジネスにどっぷり浸かっていたトランプは、地元ニューヨークで圧倒的な力を持っていた民主党のマリオ・クオモ知事やエド・コッチ市長に楯突いてまで共和党から立候補する気はさらさらなかったようだ。それでも1999年にストーンに促されて第3政党から大統領に名乗りを挙げようとしたこともある。
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