薬物問題 回復への道 高知東生氏
Japan In-depth / 2019年3月21日 19時0分
高知氏は「依存症は治療可能な病気であること」を知らず、知らされた時「すごく心がほっとした。」と話す。現行犯逮捕時、麻薬取締官に「ありがとう」と発言したことが話題となったが、取締官を見て思ったことは、「これでやめられる」ということだったという。「つかまったらどうなるのだろう、ということが頭をよぎりながらも、やめられなかった。」と当時の苦しさを吐露した。ギャンブル依存症を克服した田中氏も、「(病気だとわかった時)私もほっとした。性格の問題や人格の問題といわれたらどうにもならなかった。でも病気だから治せると思ったら救われた。」と、共感を示した。
・相談窓口を紹介し、警察や病院以外の「出口」が複数あることを伝えること
・友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要であることを強調すること
・「犯罪からの更生」という文脈だけでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱うこと
松本氏は、依存症の人だけでなく、家族も自分達を責めていることや、薬物だと通報されたらどうしよう、という不安を抱えていることが多いという事実を紹介した。自分達が悪いのではなく、病気で解決策はある、あるいは同じ悩みを抱え、回復している他の家族がいる、ということを知ることは、当事者である家族の精神的な状態を良くし、それが結果として本人の回復につながる、と述べ、「病気からの回復」を周知することの重要性を説いた。
高知氏は当時、「(誰にも)相談できなかった。」と振り返る。特に家族に知られないために頭を使い工夫を凝らし、「ばれないことが絶対に大事」だと思って日々過ごしていた、と話した。
なお相談機関としては、「精神保健福祉センター」という厚生労働省の組織がある。全国に設置されており、松本氏によると薬物でも守秘義務は守られ、自助グループの情報もあるそうだ。
・メディアが「避けるべきこと」
・「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いないこと
松本氏によると、薬物依存症の人たちは「粉」や「注射器」等のイメージショットがテレビの画面などに出るたびにまたやりたい、という欲求が起き、実際に再び使ってしまう人もいるそうだ。また同時に、薬物乱用のリスクが高い若い人たちの興味をひく危険もはらんでいるという。「回復をしている人たちの足を引っ張」り、リスクの高い人の「背中を押す」、こういった報道は「社会に危険を振りまいているような報道」だと述べた。今回ピエール瀧さんの件で、またこういった報道が増えているという。
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