イギリスにおける日本人学生 ~ロンドンで迎えた平成~その3
Japan In-depth / 2019年3月22日 23時0分
当時5〜6歳だったが、今や30代で父親になっている。光陰矢のごとし……という話ではなくて、その頃まだ英語を学びはじめて日の浅かった私は、5歳児ほどにも英語を操れないことを情けなく思ったものだ。
特に従弟(ちなみにハーフである)の方は、やはり血筋か、憎まれ口をきかせたら天下一品という奴で、自分のカタコトの日本語を棚に上げて、
「シンゴの英語はひどいねえ」などと言ってくれる。
たしかに、発音や言い回しの巧拙だけを問題にされたら、ロンドンで生まれ育っている彼の英語には逆立ちしてもかなわない。しかし、だからと言って、当時の私が5歳の従弟に対して知的な分野でなにか劣っていることになったのであろうか。
逆に考えると分かりやすい。アニメやアイドルの話しかできない者が、流れるような英語でなにかを語ったとして、もともと英語が母国語である人たちが感心するであろうか。まあ最近では英語圏でもオタクが増殖中だと聞くので、誰も感心しない、と決めつけるのもはばかられるが。
こうして考えてくると、駅前留学を含めた「留学ブーム」は、終わるべくして終わったようにも思えてくる。もちろん、昨今よく言われる、若い人があまり外国へ行きたがらなくなった、という傾向にも別の問題がはらまれている。
次回、この問題を見てみよう。
トップ写真:英オックスフォード大学の学生たち 出典:英オックスフォード大学ホームページ
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