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イギリスの日本人留学生~ロンドンで迎えた平成~その3

Japan In-depth / 2019年3月30日 11時0分

理由は、日本でしか買えないゲームソフトをたくさん持っていて、なおかつ、日本語のマニュアルを読みこなせる、唯一の生徒だったからである。



▲写真 ゲームをする子供たち(イメージ)出典:Wikimedia Commons; Gamesingear


ちょうどアニメやゲームという「日本文化」が、世界を席巻しはじめた頃だったのだ。私自身、ロンドンの街を歩いていて、日本人か、と突然声をかけられたことがある。


見れば、バイクにまたがった青年で、そのバイクのタンクを指さし、これはちゃんと書けているか見てくれ、と言う。瀕死のミミズが最期の力を振り絞ってのたくった、というような字ではあったが、どうにか「川崎重工業」と判読することはできた。


カワサキのバイクをそんな風に自慢に思ってくれるのは、日本人として同慶の至り。なかなか上手に書けてるよ、と言ってやったら、サンキュー、と満面の笑顔を見せてくれた。


真面目な話、今のようにインターネットですぐに検索できる時代ではなかったから、なんらかの活字メディアで調べ、一所懸命にペンキを塗ったのだろう。そういう努力を、誰が笑ってよいものか。


ただ、笑うに笑えない話もある。本メディアにも寄稿しているサンドラ・ヘフェリン女史のエッセイに出てくる話だが、上腕に「冷奴」と大書したタトゥーを見せながら、「これは〈クールな奴〉という意味なんだろ?」


と自慢した外国人男性がいたそうだ。


まあ、一字ずつ辞書で調べればそうなるのかも知れないが、ペンキと違ってタトゥーは、消すことは不可能でないにしても、簡単に書き直せはしないだろう。


日本人が英語堪能な人に憧れるのも、外国人が日本の文化や漢字に関心を持つのも、お互いのために結構なことではあるのだが、なにごとも「正確に知る」には努力を要するし、そこにはなかなか高いハードルが存在するのである。


トップ写真:テムズ川 出典:pixabay; skeeze


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