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「黄色いベスト運動」の人々(下)

Japan In-depth / 2019年3月30日 23時0分

ロドリゲス氏は、大きなおもちゃ屋さんのマネージャー職を退職後、一時期ホームレスにもなっており、フランスの光と影を経験した人物だとも言える。「フランス系フランス人」の母親とポルトガル人の父親として、彼は二重政治文化で育ち、「私はいつも互いを尊重して育ってきた」と言う。人種を超えて尊重しあい団結することを説き、小さな会社の社長も含め労働者たちや全ての人が貧困に困らない社会を望んでいると説き、大きい会社の社員だけが国鉄SNCFのチケットの割引などの特典を得られるのは平等ではない、全ての人々が平等に恩恵を得れるようになるべきであると説く。

前記のドルーエ氏とは友人であり、よく同じイベントに顔をだす。もちろん黄色いベスト運動での暴力行為に対して非難しており、ブラック・ブロックから襲撃を受けてたこともあると言う。マクロン大統領が同じ年であり生まれた時はみんな同じだったはずなのに、現在では全く違う生活をしていることを強調し、マクロン大統領が裕福な人々以外に敬意を欠くような政策をしないようにプレッシャーをかけることが必要だとデモを呼びかける。

ロドリゲス氏は言う。「我々が必要なのは尊重だ。我々は一致団結し政府に訴えるべきことは、この40年ほど忘れられている言葉“友愛Fraternité”なのだ。」

 

■ 黄色いベストに一番人気がある弁護士フランソワ・ブーロ

黄色いベスト運動の中で、その頭脳明晰さが他の人とは一線を画しているのが、弁護士のフランソワ・ブーロ(François Boulo)氏(32歳)だ。

現在、ルーアンの黄色いベストの窓口になっている。弁護士生活7年の実績があり、収入クラスとしても上階層に位置しているが、11月17日にロータリーで集まっている黄色いベストたちと話して、世界が変わった。ロータリーに集まる人たちが語る彼らの貧困に打ちひしがれている生活は、悲惨そのものだ。仕事がない。仕事があっても月の真ん中には冷蔵庫が空になる。そしてその生活から脱出する術もなく、いつも孤独の中で耐えて来た。そんな中、重い税金が彼らの肩にのしかかる。公共サービスは崩壊している。職安に行こうと思っても小さな村には存在しない。隣町にまでいってようやく職安や郵便局がある程度。その唯一の移動手段である車に、さらに税金の負担が増やすという不公平さ。

▲写真 フランソワ・ブーロ氏 出典:François Boulo Facebook

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