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乳がん・子宮頸がん早期発見を

Japan In-depth / 2019年4月12日 11時49分

「女性のがん対策を議論する委員会」や検討会の設置が4年間実現されていないことも課題としてあげたことに対し、野田聖子議員は


「女性のがんは男性がいると話しずらい。患者が今の状況や希望を素直に言える環境でなくてはならない。他の委員会との男女比と比べる必要はない。例えば、道路は男女問わずみんな利用するから委員会で男女で議論するのは当たり前。しかし、この女性のがんというのは、ある意味「部門」みたいなものだから、女性だけでいい。女性が男性の目を気にすることなく、女性視点にたった議論ができるようにすべきだ。なぜそれが4年実現できていないのかわからない。お金もかからないことなんだから、とにかく早急にやってみるべきだ。」と強く要望した。


日本には「高濃度乳房」と言われるマンモグラフィでは病変がわかりにくい乳房を持つ女性が7〜8割であると言われている。高濃度乳房に対しては、マンモグラフィと乳房超音波検査の総合判定が有効であると明らかになっているため、資金助成の実施を求めた。高濃度乳房は乳がんの発症リスクが増加することは確実であるとわかっている。米国の高濃度乳房の女性の割合は4割程度という数字と比較すると、日本女性にはマンモグラフィだけの検診では不十分であることが分かる。



▲写真 乳腺濃度は,乳腺と脂肪の割合や分布によって,『極めて高濃度』,『不均一高濃度』,『乳腺散在』,『脂肪性』の4つに分類されている。前者2つ、図の左2つを高濃度乳房と呼ぶ。  出典 埼玉乳がん検診検討会


加えて、子宮頸がん検診の理解、特にその原因となるHPV感染やその予防などについて、また乳がん検診への理解を深めるための標準的知識を普及し、ワクチン接種や検診体制のスムースな移行を目指して、子供から大人まで世代に応じたがん教育の推進を提言した。


 


第2部では、大貫 幸二氏(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)が、高濃度乳房問題に対応する効率的な方法について講義を行った。



▲写真 大貫 幸二氏(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)  ©Japan In-depth編集部


「高濃度乳房を取り巻く議論において、受診者側からは『判別困難なマンモグラフィ検診をなんで黙ってやっていたのか』『超音波が良いとわかっているのになんで取り入れないのか』といった意見が出るのに対して、専門家からは『対応が決まらないものに対して騒いで混乱させないでほしい』といった発言が出ることがある。どちらも乳がん死亡を一人でも減らしたいと思っているのに、時として噛み合わないのは、検診に対する目線が異なっているから。最も効果的なのは、組織型検診を行い、受診者を個人レベルで把握し受診率を欧米並みに上昇させることだ。」と述べた。


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