ポルシェ、急速充電器を開発
Japan In-depth / 2019年4月12日 22時5分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・EV普及のカギは、走行距離と充電環境。
・ポルシェジャパン、EV専用急速充電器開発しネットワーク構築に乗り出す。
・日本車メーカーの商品開発に影響も。
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電気自動車(EV)普及のカギは、走行距離と充電環境と言われてきた。走行距離については、電池の性能向上により、一充電走行距離は500kmに近づいてきた。(日産リーフ62kWhバッテリー搭載車の場合、一充電走行距離458km:WLTCモード)1日に走る距離としては十分であろう。もはや走行距離がEV普及のネックにはならない時代に入った。
▲写真 日産リーフ 出典:日産自動車
では、EV普及のもう一つのネックといわれる充電環境はどうだろうか?確かに国内で充電器台数は年々増えてはきているが、普通充電器が約2万基、急速充電器に至っては約7000基(経産省調べ、2017年3月時点)と、まだまだ十分とは言えない。高速道路のサービスエリアなどで充電器の取り合いなどの問題も起きている。充電器の普及台数次第では、将来のEV普及にブレーキがかかりかねない。
▲図 急速充電器と普通充電器の内訳 出典:経済産業省
こうしたEV普及の制約要因の他に、日本国内ではトヨタ自動車プリウスなどのハイブリッド車がEVより先に市場投入されていたこともあり、EVの普及台数は思ったほど伸びていないのが現状だ。
▲写真 次世代自動車(乗用車)の国内販売台数の推移(単位:台)出典:日本自動車工業会調べをもとに編集部作成
しかし、中国をはじめ北米や欧州市場においてEVシフトの勢いは増す一方だ。EV最大市場である中国の「新エネルギー車(NEV)規制」は、HVをカウントしない方針を打ち出しており、自動車メーカーにとってEVの開発と普及は生き残りをかけた至上命題と言える。
こうした中、自動車メーカーが自ら急速充電器を開発し、EV用の急速充電ネットワークを構築する試みに乗り出した。ポルシェジャパン株式会社は、日本国内におけるポルシェのEV専用の急速充電機開発に関し、EVインフラのリーディングカンパニーであるABB株式会社と業務提携することを12日、発表した。2020年半ばまでに150kWを超える急速充電を可能とする次世代のCHAdeMO(注1)を展開することを目指すとしている。
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