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金正恩首脳外交でサラミ戦術

Japan In-depth / 2019年4月23日 11時0分

開城工業団地にある南北共同連絡事務所は開店休業だ。毎週金曜に行われていた南北の所長会議は3月1日以降、8週連続で中止になった。韓国側所長は通常業務にあたっているが、北朝鮮側の所長は姿を消し以前は常駐していた所長代理も消えた。



▲写真 開城工業団地 出典:Flickr; Chris


4月27日は南北首脳会談1周年で韓国は首脳会談の開かれた板門店での記念行事を予定しているが、北朝鮮側の参加の可能性は低い。1年前の南北首脳会談で採択した「板門店宣言」は「朝鮮半島の完全な非核化」を謳ったが、これまでの進展はゼロである。文大統領は4回目の南北首脳会談の意向を示しているが、これにも北朝鮮側はゼロ回答。金正恩氏は最高人民会議で文大統領に対し「出しゃばりな仲介者・促進者のようにふるまうのはやめろ」と言った。韓国は米朝の板挟みで身動きがとれない。


 


■ 北朝鮮の不安定化は必至


金正恩氏は「米国との対峙は長期的な面を帯びることになるだろう。敵対勢力の制裁も続くだろう。長期間にわたる核の脅威を核で終息させたように、敵対勢力の制裁突風は自立・自力の熱風で掃き捨てなくてはならない」と演説した。だが、首脳部には制裁継続による軍党の不満の高まりや食糧不足による飢餓発生への懸念が強まったとされる。昨年の食糧収穫は495万1000トンで今年の不足量は145万トン余りに上り、前年の食糧が枯渇する「春窮期」は4月末から5月とされ食糧危機が迫っている。


権力層は綱紀粛正で内部の引き締めが始まった。平壌では今春から「最高人民会議のあとに大規模な検閲(査察)がある」と噂されていた。検閲とは家宅捜索で幹部らが隠し持っている外貨などをあぶりだす手段だ。これまでも検閲でみつかった不正を理由に、幹部らの粛清が行われてきた。海外の反金正恩組織「自由朝鮮」の存在も大きくなり、今後は内外の反政府勢力の連動が注目されている。


トップ写真:金委員長とトランプ大統領 出典:ボイス・オブ・アメリカ


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