「放課後をリデザインする」放課後NPOアフタースクール平岩国泰代表理事
Japan In-depth / 2019年4月25日 23時5分
現在の日本の放課後について、まず平岩氏は子供の「9割はアポなしでは遊ばない」ことに触れた。その原因としては、放課後の予定が無い子供が減っていることや、子供同士の遊びの約束に親が干渉しがちな現状が挙げられる。しかし平岩氏は、「『今日何する?』という会話が大事」と述べ、自分で決めたことに自分で責任を取ること、近所の人との関わりの中で自立したり社会のルールを覚えたりすることの重要性に言及した。
▲写真 図:「9割はアポなしでは遊ばない」 出典:サントリー次世代研究所「現代親子調査」2006年 © 特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール
また、共働き家庭が増えたことを背景に、学童保育のニーズは急速に拡大。施設数が追い付かず、待機児童数は右肩上がりである。平岩氏は「実際には申請すら諦める人もいる」と述べ、増加し続ける需要に供給が対応しきれていない現状を指摘した。
▲図:「増え続ける学童保育の待機児童」 出典:全国学童保育連絡協議会 2018年 © 特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール
更に平岩氏は「小1の壁」にも言及。「至れり尽くせりだった幼稚園に比べて、小学校はそうでもない」「保護者会が当り前のように平日にある」「子供が小学校に上がったら短時間勤務は終わり。『もっと働けるはず』という職場の目もある」などと述べ、子供が小学生になる段階というのは働く親にとって難関であることを指摘した。
▲写真 ©ヒマナイヌスタジオ
学童保育に類似したものに、文部科学省が進める「放課後子供教室」がある。地域の人などボランティアを中心に小学校の教室を使って放課後のプログラムを組むこの取り組みは、実は全国で約半数の小学校で進められている。しかし活動の頻度が少なく認知度が低いことが課題。平岩氏も「学童保育の代わりになるようにするには、毎日やらなければならない。そういう意味ではまだまだこれから」と述べた。国は、厚生労働省が進める学童保育と文部科学省が進める放課後子供教室の連携を進める「放課後子ども総合プラン」も展開している。
番組では日本の子供の自己肯定感の低さを示すデータも紹介。平岩氏も自身の経験を通して、子供のチャレンジ精神の低さを実感したと言う。更に平岩氏は、チャレンジ意欲の無さは自己肯定感の低さに起因するのではないかと指摘した上で、「大人が『あれはだめ、これもだめ』と言うことが増えている。でも例えば、時間を守るとか忘れ物をしないとか、大人も同じ出来ない側にいるのだから、『なんで出来ないの』という言い方はしないようにしている」と述べた。
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