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中国の目をみはる膨張ぶり 平成時代の世界2

Japan In-depth / 2019年4月28日 11時0分

私自身はこの期間の出発点から3分の1にあたる1998年末から2年ほど、産経新聞特派員として北京に住んで、中国の内外での急成長、急拡大を実感した。


産経新聞記者の北京駐在というのはなんと31年ぶりだった。産経新聞がそれまでの31年間、台湾に支局を保ち、北京側がらのその閉鎖の要求を撥ねつけていたため、中国本土への特派員の駐在を認められなかったのだ。だが1998年には北京政府はその政策を変えて、産経新聞にも台湾支局をオープンにしたまま、北京への特派員駐在を許可したのだった。


ただし中国政府が断固として守る「一つの中国」の原則に沿って、産経新聞の北京のオフィスは中国総局と呼ばれ、台北は台北支局とされていた。私がその初代の産経新聞中国総局長となったわけだ。私はそれまで中国での取材の経験はなかった。中国語もできなかった。そんな私があえて31年ぶりの産経新聞の北京駐在特派員に選ばれたのは、私のそれまでの中国圏以外での長年の報道体験を買われたからのようだった。中国をよく知らないがゆえに、中国政府に遠慮をしすぎる報道がかえってない、という効果を期待されたのだろう。


産経新聞の記者の北京駐在を認めるという措置も中国の大国化、国際化を示していた。そして中国の国家としての平成時代の膨張はもの凄かった。経済面だけをみても、中国の国内総生産(GDP)は1989年には4,600億ドルだったのが2018年には13兆5千億ドルとなった。35倍もの増加だった。


一方、日本はこの間のGDPは1989年には3兆ドル、2018年には5兆ドルと、30年間にわずか1.6倍の増加に過ぎない。日本のGDPは平成元年に中国の7倍ほどだったのが平成 30年にはすっかり逆転され、3分の1近くまで縮小してしまったのだ。なにしろ中国は今ではアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国なのである。


しかも中国は経済面では世界貿易機関(WTO)の規則を破る外国の高度技術の収奪や知的所有権の盗用などをも続けてきた。


軍事面でも中国の膨張はショッキングなほど凄まじかった。中国は公表する国防費だけでも1989年以来、毎年いずれも前年比10パーセント以上、2桁増を続けてきた。89年にドル換算で180億ドルだった中国の国防費は2018年には1,800億ドル近くと、10倍になった。



▲写真 中国の99型主力戦車 出典:Wikimedia Commons; Max Smith


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