中国の目をみはる膨張ぶり 平成時代の世界2
Japan In-depth / 2019年4月28日 11時0分
他方、日本の防衛費は1989年には350億ドルだったのが2018年には470億ドルと、3割ほどしか増加していない。この支出の変化は中国に比べると、89年には約2倍だったのが2018年には4分の1になってしまった結果を意味している。
しかも中国は軍事経費の実態は秘密であり、公表する部分は実際の半分以下という国際評価が定着している。
▲写真 天安門広場を歩く人民解放軍 出典:Flickr; Times Asi
中国はこうした経済の急成長と軍事の急拡大を基礎にして、国際的な行動力、影響力を増強してきた。近年の対外的戦略のスローガンをみても「中国の夢」「平和的台頭」「中国の復活」「一帯一路」などグローバルな野望を打ち出してきた。
中国は現実には軍事力をテコにして南シナ海での領土の無法な拡大、東シナ海での日本の尖閣諸島領海への不当な侵入などを断行してきた。
この中国の略奪的な膨張に対してアメリカのトランプ政権がついに正面からの対決へと対中政策を根幹から硬化させたことは周知の通りである。
中国は日本に対しても尖閣諸島の略奪の姿勢に加えて、国内での反日の教育や教宣の徹底、日本企業への圧迫や締めつけなど、敵性のにじむ態度を厳しくしてきた。アメリカから反撃を加えられると日本への対応では微笑外交に転じてきた傾向も目立つが、実際の日本への強圧政策は変わってはいない。中国の平成30年間における拡大には目をみはらされたのである。
(3につづく。1はこちら。全3回)
トップ写真:中国・上海の高層ビル群 出典:pixabay; niko0001
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