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ベトナム報道自由度最低水準

Japan In-depth / 2019年4月30日 7時0分

「ブラックホール」とは自由で検閲なき報道が保証されていない状況を示している。特にベトナムに関しては「全てのメディアは共産党の指導下にあり、独立したメディアは存在することが許されていない」としたうえで「自由な報道はブロガーや市民ジャーナリストに限定されているが、彼らは私服警察官をはじめとする治安当局者の暴力など厳しい対応が待っている」と報道の自由が大幅に制限され、抑圧されている現状に憂慮を示している。


ベトナムでは刑法の規定により「政府転覆容疑」「反国家プロパガンダ容疑」「国家を脅かし自由と民主主義の政権への侮辱容疑」などが自由な報道を求める人々に適用されて、裁判の結果長期の刑期の有罪判決が下されるケースが多くなっている。特に過去2年間には30人が拘束されて、不当な扱いを受けている。


ベトナム当局の身柄拘束の危険を逃れてタイで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に政治亡命を申請した直後の1月26日にバンコク近郊で行方不明となり、その後ベトナム治安当局者によって身柄を拘束されてベトナムに引き戻され拘束されていることがわかったベトナム人権活動家のトゥルオン・ドゥイ・ナット氏のケースは第3国ですら安全でないことが浮き彫りになり、海外で活動する民主活動家、反政府運動関係者の間に衝撃を与えた。



▲写真 トゥルオン・ドゥイ・ナット氏 出典:国境なき記者団HP


さらにRFAに情報を寄せていたビデオ制作者でブロガーのグエン・ヴァン・ホー氏は2018年11月に禁固7年の実刑判決を受けて収監された。ホー氏は2016年にベトナムで有毒物質の流出事故を起こした台湾企業に抗議する住民の様子をビデオ撮影中に逮捕されていた。



▲写真 グエン・ヴァン・ホー氏 出典:国境なき記者団HP


 


■ 報道の自由度が低いASEAN各国


共産党一党独裁政権下のベトナムのほかにASEANで報道の自由度が比較的低いのはラオス、ブルネイ、シンガポール、カンボジアである。


ラオスは人民革命党の1党独裁支配で新聞、テレビ、通信などの報道機関は全て政府系で報道の自由はほとんど存在しない。ブルネイは絶対的権力者のボルキア国王の支配で、シンガポールはリー・クアンユー首相率いる与党による報道管制とそれに迎合する官製メディアの存在しか許されない体制下で、中国の強い影響かにあるカンボジアでは2018年の総選挙時にフン・セン政権に批判的な30社の新聞社やラジオ局が閉鎖に追い込まれたり政府系のビジネスマンに買収されたりするなどそれぞれ報道の自由が制限あるいは弾圧される状況が続いている。


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