唯一まっとう弁護士マギャン トランプ政権「行く人来る人」列伝6
Japan In-depth / 2019年5月1日 18時0分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・トランプ政権で働いた唯一まともな弁護士はドン・マギャンぐらい。
・マギャン証言により、トランプの司法妨害に疑いの余地なしが明白に。
・トランプからの非難に、マギャンは「自分は『本当の弁護士』」と反論。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=45545でお読みください。】
ドン・マギャン(元ホワイトハウス法律顧問)
ロシア政府との癒着度:★
ドナルド・トランプとの親密度:★
任務に対して有能か: ★★★★★
任期を全うできそうか:(既に昨年10月辞任)
現ホワイトハウスで働いた唯一まともな弁護士はドン・マギャンぐらいだろう。なぜなら彼はドナルド・トランプの旧知の友として雇われたわけではなかったからだ。ホワイトハウス法律顧問というのは「大統領府という職務」付きの弁護士であって、トランプ個人を守るためにそこにいるわけではない。マギャンがホワイトハウスに務めた20ヶ月間、とうとうトランプはそのことを理解できなかったようだ。
▲写真 トランプ米大統領(2019年4月26日)出典:The White House
もともとマギャンは共和党委員会の法律顧問で、2008年にジョージ・W・ブッシュ大統領により連邦選挙委員会のメンバーとして保守寄りの政策を後押しするのに尽力していたが、2013年に共和党御用達の法律事務所であるジョンズ・デイに移籍した。この法律事務所はロシアの新興財閥を多くクライアントとして抱えていることで知られていた。
大統領選挙の際、選挙法に詳しい弁護士がいなかったので保守シンクタンクの勧めによってトランプ陣営に送り込まれ、当選とともにホワイトハウスの顧問弁護士に収まった。トランプ大統領が指名した2人の最高裁判事の人選をしたのもマギャンだった。外交にも政策にも疎く、富裕層に有利な税制改革以外これまで具体的な手柄のないトランプだが、最高裁判事を2人も送り込めたのはマギャンの人脈と入れ知恵の賜物といっていいだろう。
昨年8月、トランプ大統領は唐突にマギャンが辞任することを発表したが、それまでにも何度も衝突があったことがマスコミによって伝えられた。例えば2018年の春に、トランプは元対立候補だったヒラリー・クリントンと、自分がクビにした元FBI長官のジェームズ・コミーを起訴してやりたいとマギャンに相談したが、大統領が勝手に起訴することは違法だし、調査を依頼することも職権乱用に当たり、弾劾という引き金を引くことになりかねないとマギャンが警告して思いとどまったという。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
トランプが免責ならウォーターゲート事件も「チャラ」だった──元ニクソン法律顧問
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月3日 18時5分
-
異例のアメリカ大統領選挙 多くの裁判を抱え選挙に臨むトランプ氏――今日は“何の”裁判?
日テレNEWS NNN / 2024年7月2日 20時35分
-
バイデン大統領、「危険な判例」「法の支配を弱体化」と最高裁判断を批判
産経ニュース / 2024年7月2日 11時2分
-
トランプ氏「免責特権」で勝利主張 米最高裁判断、審理差し戻し 初公判は大統領選後か
産経ニュース / 2024年7月2日 6時21分
-
トランプ氏有罪で共和党が連帯した
Japan In-depth / 2024年6月11日 9時0分
ランキング
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください