仏学力低下問題と日本の未来
Japan In-depth / 2019年5月5日 7時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏・得意としていた数学のレベル低下が顕著。
・授業時間数の減少が学力へ影響か?
・仏の学力低下問題は将来の日本の姿
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フランスはデカルト(1596年-1650年)やフェルマー(1607年-1665年)、パスカル(1623年-1662年)など、名の知れた数学者がいた国とよく知られ、数学におけるノーベル賞といわれる若い数学者のすぐれた業績をたたえるフィールズ賞では、アメリカ13人に次いでフランス人の受賞者は12人であり、優秀な数学者を育てる国として知られていた。
こういったことより、フランス人は数学が得意な人が多く、フランスでは数学が文化として根付いていると言われてきたが、現在のフランスは様子が変わってきているようだ。フランスの小学生CM2(日本の小学5年生に相当)の数学の学力は30年間下がり続けている。そんな衝撃的なニュースが、文部省の評価機関Depp(la prospective et de la performance)の調査によって明らかにされた。
▲写真 フィールズ賞受賞者に渡されるメダル 出典:Wikimedia Commons
Deppによれば、1987年には、足し算が合格レベルの生徒は90%はいた。しかしそれが2007年には77%になり、2017年には69%にまで落ち込んでいると言う。同様に引き算に対しても、合格レベルの生徒は1987年には83%いたのにもかかわらず、2017年には55%に下がり、なんと、掛け算では、1987年には74%が合格レベルだったのにもかかわらず、2007年には43%、2017年には37%と言う激しい落ち込みを見せている。文章問題においては、30年前も合格レベルは52%の達成率でさほど高くはなかったが、2017年には32%しか達しないと言う結果だ。また、同Deppの調査では、男子生徒は女子生徒よりも高成績であり、社会階層の違いにも大きく影響を受けることが確認された。
このように、フランスの子供達の数学のレベルが下がった理由について、フランスのテレビLCIでのインタヴューでは、国民教育省監査局のシャール・トロシアン氏は、こう述べている。
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