標的は中国人パキスタンテロ
Japan In-depth / 2019年5月14日 11時7分
▲写真 カラチの街並み 出典:Wikimedia Commons; Son of ATM
理由は簡単。中国はグアダルを起点に新彊ウィグル自治区のカシェガルまで鉄道、高速道路、光ファイバー網、石油・ガスパイプラインなどを敷設した。ところが中国はそのための建材、建設機械から労働者まで全てを中国から持ち込む。これが中国の典型的なやり方なのだが、現地バローチスタンの住民はほとんど裨益しなかったのだ。
似たような話はアフリカにも、アジアにも山ほどある。パキスタンぐらい中国と親密な国はないと思うだろうが、おっとどっこい、中国はバローチスタンやイスラム教を甘く見たのかもしれない。こんなことを繰り返しても、「一帯一路」政策は各国国民の支持や理解を得られない。どうして中国はこんな簡単なことが分からないのだろうか。
〇アジア
先週末、中国の劉鶴副首相は先の米中貿易交渉について北京で中国メディアのインタビューに応じ、米国の姿勢に強い不快感を表明したようだ。本邦有力紙は政治局員という高位の要人がこの種のインタビューに応じるのは極めて稀だと報じていた。まあ、それはそうなのだろうが、筆者はこの報道にちょっと違和感を感じた。
これが9人しかいない政治局常務委員によるインタビューなら確かに異例だろう。だが、劉鶴は副首相ながら、所詮は25人いる政治局員の一人に過ぎない。ここは「インタビューの異例さ」に注目するよりも、「中国が合意を破り、再交渉を求めた」という米国の宣伝に対抗すべく中国なりの「対米情報戦」を仕掛けていると見るべきだろう。
▲写真 劉鶴副首相(左) 出典:米財務上院委員会
もう一つ気になるのは18日のオーストラリアの総選挙だ。報道によれば、与党保守連合(自由党・国民党)と最大野党労働党の一進一退の攻防戦が続いているという。最新世論調査によれば保守連合が49%、労働党は51%となり、労働党が僅差で勝利するとの見方も出ている。対中政策に変化があるかどうかが気になるところだ。
〇欧州・ロシア
先週末、英紙がある世論調査の結果を発表した。それによれば、各政党の支持率は、BREXIT党(ファラージ元UKIP党首の新党)が34%、労働党が21%、自由党が12%で、何とメイ首相率いる保守党はわずか11%だったという。これではメイ首相主導のEU離脱は難しいだろう。23日に予定される欧州議会選挙の結果が気になる。
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