戦争したくてしょうがない男 トランプ政権「行く人来る人」列伝7
Japan In-depth / 2019年5月21日 23時14分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・戦争好き隠さぬ超タカ派。人望なく「副」の付く地位ばかり。
・クーデターや戦争を仕掛け、“敵国”トップ引きずり下ろすのが信条。
・イラン核合意離脱で中東の緊張高め、北朝鮮、ベネズエラでも成果なし。
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ジョン・ボルトン(国家安全保障問題担当大統領補佐官)
ロシア政府との癒着度:★
ドナルド・トランプとの親密度:★
任務に対して有能か:★
任期を全うできそうか:★★★
2016年、大統領に就任したばかりのトランプが国務長官を決める際、ジョン・ボルトンも候補のひとりとして挙げられていた。だが、側近の見かけを気にするトランプは、ボルトンのチョビ髭が気に入らないとして彼を却下し、面識がなかった(が恰幅の良い白人男性だというので)元エクソンCEO、レックス・ティラーソンを選んだというエピソードがある。
そのチョビ髭とは関係なく、ボルトンは長い間、戦争好きを隠さない「超タカ派」として多くの外交筋や国会議員から嫌われてきた。シリアからベネズエラ、そしてイエメン、北朝鮮などで、regime change(政権交代)を目指す、と言えば穏やかな外交政策のようだが、要するにクーデターを起こしたり戦争をしかけたりして、よその国のトップをその座から引きずり落とすために画策するのが信条なのだが、あまりにも無礼で人望がないために、ずっと「副」が付く地位しか与えられてこなかった。
▲写真 イラク駐留米軍部隊へのクリスマス慰労訪問のため、アル・アサード航空基地へ向かう大統領専用機内でイラクのアブドル・マハディ首相と電話するトランプ大統領とボルトン大統領補佐官(2018年12月26日)出典:The White House[Public domain]
ジョージ・W・ブッシュ大統領政権時代にボルトンがずっとやりたがっていたイラク戦争が実現したのは、9・11の同時多発テロ後に反イスラムに傾いた世論をディック・チェイニー副大統領、ドナルド・ラムズフェルド国防長官、ポール・ウォルフォウィッツ国防補佐官らボルトンと同じPNAC(アメリカ新世紀プロジェクト)所属のネオコン一派が軍やマスコミを騙し、テロの首謀者としてアル=カイーダのウサマ・ビン・ラディンではなく、無関係だったイラクのサダム・フセインに矛先が向けられるようにしたからである。
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