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戦争したくてしょうがない男 トランプ政権「行く人来る人」列伝7

Japan In-depth / 2019年5月21日 23時14分


▲写真 ジョージ・W・ブッシュ大統領がボルトン氏を国連大使に任命すると発表(2005年8月1日)出典: White House photo by Paul Morse(Public domain)


そのボルトンが初めて国連大使というトップの座に立てたのが2005〜2006年。前任者のジョン・ダンフォースが任期途中で辞任したため、本来なら大統領に指名された国連大使候補は上院の承認を得なければならないが、上院が開催されていない時期を狙って指名され、有無を言わせず国連大使になることができた。だが、2006年の中間選挙で野党のデモクラッツ(民主党)が上院で過半数を占め、ボルトンがその後も正式に国連大使に任命される可能性は潰えた。


今回ボルトンが国家安全保障問題担当大統領補佐官になれたのは、以前からトランプの大本営放送局のようになっているフォックスTV局で、オバマ大統領が国連やEUと協力して締結にこぎつけたイラン核合意からの離脱をずっと訴え続けていたからだ。トランプはとにかく前任者であるオバマが成し遂げた功績をひとつ残らずひっくり返そうと必死なので、チョビ髭はともかく、自分の政権下で核合意から離脱し、ついでにその外交政策を推し進める者として責任を被ってくれれば都合がいいのである。



▲写真 左からジョン・ボルトン大統領補佐官、マイク・ポンペオ国務長官、トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領(2018年5月2日)出典:U.S.Department of State photo[Public domain]


だが、もともとトランプは戦争をする(軍備を増強する)のはカネの無駄だと思っており、国民の目が「戦争になるかもしれない」と、国内での司法妨害に関する調査から逸れてくれるのはありがたいが、実際にイランと戦争をしたいわけではない。イラク戦争で懲りた下院議会も開戦に賛成する可能性はない。ボルトンの言動は非核化合意に尽力した国々にとって甚だ迷惑なのだ。


イランだけでなく、北朝鮮との首脳会談で一方的で急速な非核化を条件として突きつけさせたのもボルトンだし、先月にベネズエラでニコラス・マドゥロ大統領の再選を阻止しようとあれこれ表立って画策したのもボルトンだ。だが、結果を見る通り、成功した試しはないのだが。


そして今、非核化への合意から勝手に離脱したアメリカに対し1年間ガマンしてきたイランが、少しずつ核武装を進めても文句を言える立場にはないのに、ありもしないイランからの「脅威」に対して軍艦や戦闘機を配置し、勝手に中東の緊張を高めているのがボルトンなのだ。


戦争大好きといっても、ベトナム戦争時代に若者だったボルトンは、戦争肯定派だったものの、1929年に徴兵候補になってからは、州兵軍に入隊したり大学院に行ったりして戦地に行くのを免れているのだが。


トップ写真:ジョン・ロバート・ボルトン米大統領補佐官 出典:John Bolton twitter


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