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米、子供に糖尿病リスク拡大

Japan In-depth / 2019年5月25日 11時0分

アメリカ心臓病学会の調査では、全米学校給食プログラムが提供するランチを日常的に食べている子どもの方が、自宅からお弁当を持ってきている子どもと比較して、肥満傾向にあることが分かった。さらに、学校給食を食べている子どもの方が、高脂肪の食事を食べ、甘い飲み物をとり、野菜やフルーツをあまり食べない傾向にあることも分かった。



▲写真 サラダバーはあるがほとんどの子どもが手をつけない。©ファイゲンバーム裕香


学校でのランチの時間についても、批判があがっている。今年3月に行われたDaily Newsの調査によれば、アメリカの908の市立小学校が、午前11時前に給食を提供していることが分かった。農務省は、学校が午前10時から午後2時の間に給食を提供することを義務付けているが、大規模校では食堂に入れる人数に限りがあるため、例外が認められている。そのため、ニューヨーク市のいくつかの学校では午前10時前にランチがスタートしたり、ニューヨーク市の高校の中には、8時58分にランチが始まるところもある。



▲写真 ニューヨークのSusan E. Wagner High Schoolのランチ時間が記載されているが、8時58分から1時42分となっている©ファイゲンバーム裕香


この早い時間帯のランチによって、不健康な食事を食べる子どもが増えていて、小銭を持っている子どもは、学校の後や授業の合間に、自動販売機で塩辛い、加工食品を買う傾向にあるという。最近の研究では、子どもたちが危険なレベルでナトリウムを消費していることも分かった。調査された子どもたちのほぼ90パーセントが年齢層に推奨されるナトリウムの上限レベルを優に超えていて、8歳から17歳の子どもたちの9人に1人の血圧が正常値を超えていた。食事に含まれるナトリウムが多すぎると、血圧が上昇し、心臓病のリスクも高まる。アメリカの子どもたちは、1日あたり平均3,387mgのナトリウムを消費していて、これはほぼ大人の摂取量と同じだという。


アメリカ心臓協会は、「子どもの健康に関しては、柔軟性はいらない」と昨年末に農務省が発表した規則を批判し、「最初に採用した学校給食のナトリウム基準を満たさないと、子どもたちの健康が危険にさらされることになる」と声明を出した。


保護者からの批判も相次いだことから、ニューヨークの教育局の報道官Barbotは、「学校では、11時前にランチを食べるべきではない。11時前に給食を提供している学校は、2019年-2020年の年次では、可能な限り調整をするように努める」と話している。


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