「中国の海洋進出を警戒せよ」佐藤正久参議院議員
Japan In-depth / 2019年5月29日 11時6分
北朝鮮が今後もミサイルを撃ってくる可能性は十分ある。日本は軍事的な備えをどうしたらいいか、と聞くと、佐藤氏は「北朝鮮が核ミサイル廃棄のための具体的な行動を何も取っていない以上、ミサイル防衛で備えなければいけない。イージス艦の展開や、陸上配備型イージスの導入、また平和安全法制で議論されたような日米連携での警戒、いざという時、警戒監視から対処まで切れ目のない対応をとる、という体制をとる。」と答え、日米連携での対応の重要性を改めて強調した。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
・中国の海洋進出
佐藤氏は、 中国は今、海洋進出を相当強化している、という。
「一帯一路という経済的な側面と安全保障を一体で広めている。ジブチに行ってきたが、まさに軍と一帯一路の連携が現実のものになっていた。新しくドラレ港を作り、コンテナクレーンも数多く存在し、その港の背後には荷を港から上げた時のコンテナヤードがあり、その脇には中国の海兵隊の要塞のような基地があった。」と述べ、遠くアフリカの地でも中国が経済外交の名のもとに、対象国に軍も使える港を築くなど、海外の軍事基地化を着実に進めている実態を明らかにした。
▲写真 中国がジブチに建設した新ドラレ港 撮影:佐藤正久議員
▲写真 新ドラレ港の脇の中国軍基地 撮影:佐藤正久議員
また、その新ドラレ港とエチオピアの首都アジスアベバへ、海抜0mから2,700mまでの標高差があるところに中国は鉄道を敷いている。まさにそういう経済的な面と軍事的な面が一体となる典型例がジブチだ。」と述べた。
▲写真 ジブチの中国軍基地とエチオピアを結ぶ鉄道駅 撮影:佐藤正久議員
また、中国は南シナ海でも西沙諸島・南沙諸島含めて軍事拠点化を進めている。スリランカのハンバントタ港、パキスタンのグアダル港あるいはオマーンのドゥクム港、ジブチと一帯に海のシルクロードを作ろうとしている。
さらに佐藤氏は、南シナ海は日本にとって生命線であり、中国の脅威に警鐘を鳴らした。
「油の道(“oil sea line”)を考えると、日本に来る石油の9割が中国が埋め立てた(南沙諸島の)人工島の脇を日本のタンカーが通っていく。タンカーに日本人船員はほとんど乗っていない。仮に南シナ海で中国に脅された場合、日本のために油を運ぶ外国人船員はいない。」と述べ、日本のシーレーンの安全を確保することが重要だとの考えを示した。
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