カンボジア中国カジノ閉鎖へ
Japan In-depth / 2019年6月4日 18時49分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・中国系ホテルの環境汚染や騒音問題等に遂に州当局が閉鎖命令。
・警察の「癒着」などから今後の強制閉鎖の実効性に疑問。
・独裁政権の親中対応にホテル閉鎖命令は一石を投じた。
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カンボジア南部の港湾都市シアヌークビルにある中国資本のホテル・カジノに対し現地シアヌークビル州当局が違法営業と環境汚染などを理由に営業停止処分を下し、5月24日に強制的に閉鎖されたことがわかった。
米政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が伝えたもので、近年続く中国からの投資拡大にともなう中国人労働者や中国人観光客の急増が原因とされるシアヌークビルの「野放図な中国化」に歯止めがかかるものとして地元では注目されている。
シアヌークビルのフェリーターミナルからスピードボートで約40分の沖に浮かぶロンサレム島は美しい砂浜のビーチリゾートとして日本人も訪れる観光地として知られている。
島の一角にあり、海に面した「金鼎大酒店(Jin Ding Hotel)」はカジノも併設された中国資本「金鼎国際娯楽公司」が経営するホテル・カジノとして中国人観光客で賑わっていた。
▲写真 シアヌークビルのビーチ 出典:Pixabay; kolibri5
地元紙「プノンペン・ポスト」の2019年3月13日の報道によると、同ホテルは適正な営業許可を受けていない不法営業であることに加えてホテル内の汚水を適正に処理することなくそのまま海に垂れ流し、海水を汚染していることなどから州当局はホテルとカジノの営業停止、施設の閉鎖命令を出した。
この閉鎖命令は同公司のZhou Jianhua代表に対して3月22日までの営業停止を求めるものだったが、同公司はその後も営業を続け、命令を一切無視し続けていた。このため建物の強制撤去に向けた手続きも始まろうとしていたという。
■ 周辺住民から騒音被害訴え、発砲事件も
RFAなどの報道では、同ホテル・カジノでは汚水による砂浜や海水の環境汚染だけでなく、深夜から未明にかけて海岸で酒を飲んで騒ぐ中国人宿泊客による騒音被害が深刻で、周辺住民からの訴えが当局に相次いでいたという。さらに警備員が居丈高で実弾による威嚇発砲事件も起きるなど多くの問題を抱えていたとされる。
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