女性起業家が考えた広報の形
Japan In-depth / 2019年6月8日 23時51分
年数を重ねるごとに子供のデータが蓄積され、創業当時よりも、「教育」に焦点が当たるようになってきた、と樋口さん。“子どもたちに、語学だけでなく、それを通して国際的な視野も持ってもらいたい”という視点で、2017年に「dot.school」という、週末スクール型サービスをオープンした。子供のレベルや興味・ペースに合わせてオリジナル教育コンテンツを作っている。英語でAI、人権問題、経済、ビジネス、国際情勢など、大人が学ぶような内容を早いうちから学び、世界を広げてくことができる画期的なプログラムだ。
▲写真 提供:Selan
■ 認知度アップのために行ったこと
起業家がまず壁に当たることは、「どうすればプロダクトやサービスを多くの人に知ってもらうことができるのか。」だと樋口さん。経験談を聞いた。
「ノウハウがなかったので、広報がうまくいっている会社の知人や広報のプロに話を聞きに行き、教えてもらった広報ツールを一通り全部作成した。会社の3つのハイライトを書いたチラシを、どこに行くにも持ち歩いて、配りまくるという地道なアピール活動を続け、超コアなファンを10人作った。その10人は色々なフィードバックをくれ、頻繁にその家庭に訪問して、その人たちの要望を一つずつ叶えることでサービスを改善していった。そうしたら、その10人の口コミでコアファンが30人に増え、そこからさらに広がって100人、という形でじわじわ増えていった。」
では、最初の超コアファン10人はどのように見つけたのだろうか。
樋口:「とにかく色々なイベントに参加してお母さん目がけて話を聞きに行き、そこで出会った人たちだった。偶然、広報をしているお母さんに出会い、一緒に広報戦略を考えてくれた。ユーザーに助けられてここまできた。イベントは夜に行われることが多いので、毎日かなりハードだった。」と当時を振り返った。
新聞、テレビと多くのメディアに取り上げられてきた樋口さんだが、最初はどのようなきっかけだったのだろうか。
樋口:「記者の知り合いがいた訳ではない。記者がいるコミュニティに参加できる方法もない。そこで、教育に関連する記者の名前をとにかく書き出し、その人のTwitterやFBを調べたりして、100人くらいのリストを作った。直接電話したりメールしたりという地道な作業だった。そのうちの数人が、興味を持ってくれたことがきっかけ。今でも10人くらいとは良好な関係が築けている。何か新しいプログラムが出れば連絡をするようにしていて、特集などとちょうどタイミングがあえば、取材をしてもらっている。」
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