女性起業家が考えた広報の形
Japan In-depth / 2019年6月8日 23時51分
■ 経営と広報の両立
樋口:「創業者にとって広報活動は大きな負荷がかかるケースもある。仕事後にイベントに行ったり、取り上げられるかも分からないのに記者に電話して、とても辛い。でも、やらないよりは良いと思う。記事にならなくても人間として繋がっていれば、どこかに繋がる。結局は人なんだと思う。」
お迎えシスターのHPを見ると、ネイティヴ先生の自己紹介動画が印象的だ。採用率は20%で、現在は350名の先生の登録があるという。求人の募集はどのように開始したのだろうか。
▲写真 提供:Selan
樋口:「最初は、自分で先生もやりながら、経営をしていたが、途中から友人の後輩を紹介してもらい、3人、5人と徐々に先生を増やした。大学でチラシを配ったり、大学の寮にビラを貼ったり。地道なやり方だった。そこからは口コミで広がっていった。先生の見える化をして、安心感を伝えることが重要だと思ったので、先生の動画をHPで公開しその空気感を伝えている。この先生紹介動画は最初は親御さんのために作ったものだが、公開したところ初めてご覧になる方にも雰囲気が伝わりやすくなり役立った。」
地道に粘り強く広報活動をされてきた樋口さんだが、想定外で反省していることもあるという。
樋口:「サービス、プロダクトが完成しきっていないのに広報すると収拾がつかなくなる、というのが大きな反省。メディアに出た時のインパクトを想定していなかったし、そもそもその発想もなかった。起業後すぐに運よくテレビに取り上げられたら、想像以上の反響ですぐにオペレーションが回らなくなってしまった。その結果、新規のお客さんの対応ができず謝罪したりしなくてはならなかった。これから起業する方は、プロダクトやサービスがせめて8割程度まで完成してから、広報活動に踏み切った方がいいと思う。自身の経験から早すぎると逆効果になることを学んだ。しかし、サマースクール、プラン追加などの小さなことでもプレスリリースは頻繁に出して、PRからは遠ざからないように気をつけていた。発信し続けることは大切だと思う。」
▲写真 ⒸJapan In-depth編集部
■ これから先の事業展開
起業から丸4年。様々な壁を乗り越えてきた彼女の今後の事業展開を聞いた。
樋口:「今展開しているリベラルアーツコンテンツをアジア中に広げていきたい。また、今まで蓄積してきた何万時間分のレッスンデータから、子供により学び方の効率が全く違うことを発見した。その子のタイプを先生が分析して、教え方に反映できる仕組みにも取り組んでいきたい。」
日本ではまだ少ない女性起業家。しかし、樋口さんのように活躍する起業家がメディアでも多く取り上げられるようになってきた。その波及効果で、日本にも女性起業家が増えていくことを期待したい。
お迎えシスターは「子供たちにロールモデルを」というコンセプトだが、樋口さん自身が女性起業家のロールモデルとなり、彼女たちの背中を押し続けるだろう。
トップ写真:©️Japan In-depth編集部
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