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米とイランの危険な駆け引き

Japan In-depth / 2019年6月13日 11時0分

米当局者によれば、そのイラン船舶2隻は最終的に元の港に戻り、件のミサイルを降ろしたという。また、同期時には今回、国防総省ではなく、ホワイトハウスの安全保障担当補佐官が空母や爆撃機の湾岸地域派遣を発表した理由についても実しやかに報じている。詳しく引用するとルール違反なので、ここは原文を読んでほしい。


いずれにせよ、筆者が今の時点で何となく感じていることは次の通りだ。


 


・米国はイランを挑発しているが、賢いイランはそうした挑発には乗らない


イランという国は北朝鮮より遥かに賢く、「力」の意味をよく知っている。米国の挑発にイランが手を出したら、ワシントンに攻撃の口実を与える。イランは賢いから、そんな馬鹿なことはしないだろう。


・トランプ氏はイランの最高指導者と会いたがっている


昨年3月、トランプ氏が金正恩に会うと言い出した時のショックを思い出してほしい。我々と同様のショックを受けたのがボルトンNSC補佐官だと思えばよい。トランプ氏は「これまで誰もやらなかったことをやりたい」だけなのかもしれないのだが・・・。


・ハーメネイ最高指導者は慎重な政治家


ハーメネイは賢いから、ややこしい話には絶対に乗らない。自らが政治的に傷ついてしまうからだ。仮にイラン側がトランプに会うとなっても、まずはロウハニ大統領を派遣するだろう。宗教的権威の弱いハーメネイが生き延びて来た秘訣はこれである。



▲写真 ハーメネイ最高指導者 出典:Khamenei.ir


・米、イラン、サウジ、イスラエルは危険な「硬式野球」をやっている


総理のイラン訪問はタイミングとしても絶妙であり、良い試みだ。但し、日本はソフトパワーだから、やれることには限界がある。野球に例えれば、日本はソフトボールだから、上手くやらないと火傷する。それだけ心掛ければ、案外うまく行くのではないか。


・イランは世界一の反米政府と世界一の親米国民が同居する国


その気になれば米国とイランの間には多くのチャンネルがあるはず。それが機能し始めたら、米国とイランが独自に動き始めることを忘れてはならない。今大事なことは「仲介」に目を奪われて、中東地域のイランの諸悪行を見て見ぬふりをしてはならないということだ。


 


〇 アジア


今週のアジアは香港に注目だ。先週末、香港の民主派団体が中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する100万人規模のデモを行った。今も香港にこうしたエネルギーが残っていると見るべきか、この法律で香港の「民主主義」が一層弱体化することになるのか。後者でないことを祈るしかない。


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