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国旗が象徴するもの 悲劇の島アイルランド その3

Japan In-depth / 2019年6月21日 18時0分

 


現在に至る、ナショナリスト(アイルランド民族主義者)と、英国への帰属を求めるユニオニストとの対立や、IRA(アイルランド共和国軍)によるテロなどの問題は、ほぼこの頃までにその萌芽が見られる。


 


この独立から新憲法公布(1937年)、その後の政治的・社会的混乱については次回以降、順を追って見て行くが、本稿の最後に、アイルランド国旗に注目したい。向かって左から、緑、白、オレンジの三色旗だが、緑は豊かな自然とカトリックの象徴、そしてオレンジはプロテスタントの象徴(オレンジ公ウィリアムに由来する)。そして真ん中の白は、両者の平和共存を象徴している。



写真)アイルランドの国旗


出典)Public Domain Pictures.net


 


「宗教的対立を超えて、他人の権利を侵さず、また侵されない民主国家を築こう」という、独立運動の理念そのものなのだ。


 


この、アイルランド独立運動から、思想的に大きな影響を受けたのが、20年ほど後れて独立を勝ち取ることになるインドの独立派である。インド国旗もまた、イスラムにおける聖なる色である緑を下、ヒンドゥー教における聖なる色であるサフラン色を上に、そして両者の平和共存を象徴する白が真ん中に配されている。なおかつ、白地のさらに真ん中には、仏教のダルマ(法)を象徴する円形の文様が描かれている。


 


この国はよく知られるように、ヒンドゥー教の信者が多数派を占めるインドと、ムスリムが多数派を占めるパキスタン、仏教国スリランカ、さらにもともと東パキスタンであったバングラデシュ、というように分離独立し、今も宗教的対立は解決されていない。


 


今さら外国人の私がこんなことを訴えてもむなしいかも知れないが、自国や国旗に誇りを持つべきだと言うのであれば、まずは国旗がどのような理念を象徴しているのか、もう一度学び直して欲しいものである。


 


トップ写真)アイルランドの風景


出典)pixabay; Andreas Senftleben


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