1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

G20は何を目指していくのか

Japan In-depth / 2019年7月2日 23時0分

これ以上書くと不愉快になるので、話を大阪G20サミットに戻そう。日本がこの種の多国間首脳会議を初めて主催したのは1979年、東京サミットだった。当時筆者は外務省二年生、幸いにもサミット準備事務局の輸送班という部署で首脳の車列やヘリコプター移動などのロジ(兵站)を担当した。忙しかったが、今でも楽しい思い出だ。


しかし、G20はG7よりはるかに複雑。参加首脳人数は等差級数的に増えるが、ロジの複雑さは等比級数的に拡大するからだ。40年前、たった7人の首脳会議で大騒ぎだったのだから、大阪サミットでのロジの仕事は想像を絶するほど難しかったに違いない。政府関係者、特に各都道府県警察の応援部隊に心から敬意を表したい。


しかし、ロジ以上に難しかったのがサブではなかろうか。大阪のG20では首脳宣言の内容に関心が集まった。貿易については「自由、公平、無差別な貿易及び投資環境を実現するよう努力する」との表現で落ち着いたが、中国は「無差別」を、米国は「公平」を入れるよう求め、更に米国は「反保護主義」への言及にも反対したようだ。


こんな調子では来年以降のG20サミットが思いやられる。「自由貿易の促進」なる表現も最終宣言文から抜け落ちたそうだ。「各国への配慮」も大事だが、首脳宣言をコンセンサスで纏めようとすれば、今後内容は益々薄まっていくだろう。一体何のためのG20なのか、こうした本質的疑問にいずれ答える必要が出てきそうだ。



▲写真 G20大阪サミット 出典:ロシア大統領府


〇 アジア


今週も香港で混乱が続いている。学生たちの動きを見ていると、1960年代、70年代の日本を思い出す。韓国なら1980年代、90年代だろうか。韓国はともかく、今の日本の若者に、学園紛争に明け暮れた60年代、70年代当時の、あの情熱というか、熱気が理解できるだろうか。あーあ、また年寄りじみたことを言ってしまった。



▲写真 「逃亡犯条例」改正案の撤回を求めるデモ隊 出典:VOA


もう一つの注目は米中貿易協議の行方だ。大阪での米中首脳会談は、本質問題を先送りしただけで、貿易摩擦の解消には程遠い内容だった。しかし、これは元々米中双方が暗黙の了解で求めたもの。世界経済に与える影響を考えたら、双方とも決定的ガチンコを永遠に続けることはできない。解決も決裂もない現状は当分続くだろう。


 


〇 欧州・ロシア


7日にギリシャで総選挙がある。下馬評では保守系政党が優勢で、左派の現政権は伸び悩んでいるらしい。BBCなどは、この背景にギリシャの若年層の不満があると分析しているが、結果はどうなるだろうか。但し、仮に保守系政権になったとしても、ギリシャが突然変わるとは思えず、財政問題は続くだろう。この選挙結果も要注意だ。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください