パフォーマンス理論 その10 ブランディングについて
Japan In-depth / 2019年7月5日 7時0分
4、かっこわるいがかっこいいに変わることがある
昔アエラの表紙を撮ってもらったことがあった。真顔のクールな写真を撮られることを期待して粧し込んで現場に到着したら、最初の挨拶の表情を見て、カメラマンさんにいいからそのまま笑ってと促された。何枚か撮るのかと思ったら、結局その笑顔の写真が使われた。正直を言えば、私はその写真が好きではなかった。笑って八重歯も出てるし笑い皺も出てるし、他のアスリートみたいに真顔の陰影が出たようなかっこいい写真になんでしてくれなかったのかと思った。引退して6年経った今写真を見返してみると、畳屋である祖父祖母の屈託無い笑顔に似ていて、そういうのを瞬間に見抜かれたのだろうと思った。自分自身がその頃の写真を見て青臭さも含めてなんとなくいいなあと思うようにもなっている。人生において、あの頃かっこわるいと思っていたことがこの歳になってかっこよく見えることがある。若い時に変に自分でポーズをとったりすればそこから逃れられなくなるから、早めに晒しておいた方がいいと思う。
5、自分からは逃れられない
ブランディングは人によってずいぶん考えが違うだろうけれども、私なりにブランディングを整理すると、シンプルに言えば”替えが効かない何かになる”という事だと思う。変えが効かない何かになるためには、演じていたり計画していては無理で、結局私目の前のことを追求していくしかないのではないだろうか。その場合、自分のバックグラウンドや本来の性質から逃げられない。私は本当は内向的な人間で、反射的に何かをするのが苦手だったから、テレビではうまくやれなかった。しかも考えていることが少し変なのでしゃべるとおかしな空気を作ってしまう。それで3年ぐらいアメリカにいて、戻ってきた時にもういいやと思って全く空気を読まずに発言したら、それが世間に受けた。自分をこう見せようとしていたことをギブアップすることで、自分というブランドが少し転がり始めた。今考えれば、ブランド構築に一番抵抗していたのはこう見せたいと思ってそこにしがみついていた自分だったと思う。
ちゃんとプロが見ればもっと深いブランディングの世界があるのかもしれない。が、私にはそれができなかったので、全部諦めてそのままの自分でいく、という方法を選んだ。ある意味でブランディングをしないというブランディングだったろうと思う。これはいい方法なのかどうかわからないが、少なくとも本人にとっては楽なので私はおすすめしたい。
トップ写真)Pixabay Photo by Scottwebb
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