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パフォーマンス理論  その13 負け癖について

Japan In-depth / 2019年7月8日 7時0分

 


3、空気を読みすぎる


人間が重圧を感じる背景に、少なからず他者の期待がある。いわゆる真面目でいい人は空気を読むことができるが、それが他人の意図を過剰に感じ取りプレッシャーにつながっている側面もある。また空気を読む人間の違うパターンでプライドが高すぎる場合もある。共通点は他人からの目を気にし過ぎて自分の行為に集中できなくなることだ。


私もこの状況に入ったことがある。練習ではうまくできるが、試合になって人が見ていると自分が失敗するかどうかをみんなが見ているという気分になってうまくできなかった。ようは視野が広過ぎて、人の気持ちを察し過ぎて、自分の役割がわかりすぎて、パフォーマンスそのものに集中できなくなっている。だから、人の気持ちを無視する練習が必要だと考えていた。だからこの頃から試合い近くなると壁に向かって立ったり、とにかく人はただのモノとして考えて、ひたすらに自分と向き合って自分のプレイそのものに集中しようとしていた。子供の時に夢中でゲームをやっていて親に呼ばれても気が付かなかったあの状態になんとか入ろうとしていたというのに近いだろうか。ブレイクスルーは表情で、能面のような顔をすると自分と外界を切り離せる感じがしたので、いつも顔を作っては試合に出ていた。


 


負け癖から抜けるのに一番いいことは、勝敗というものを忘れてしまうことだ。負け癖は勝敗にとらわれすぎた病とも言える。忘れるために一番手っ取り早いのは何かに夢中になることで、私は楽しみに浸ってしまうことが一番だと考えている。これが強いプレッシャーにさらされるオリンピアンが、試合前に楽しんできますと表現する理由だと考えている。楽しみたいという言葉をもう少し正確に表現すると没頭したいということになるだろう。没頭していれば過去の記憶がつい浮かんでしまう状態を排除できる。


負け癖は自分が作り出した幻に過ぎないが、幻が故に具体的にどうアプローチしていいかわからない。私は本質的には原点に返ることが大事だと思っている。多くの選手は競技を始めた頃、無邪気に楽しくやっていたはずだ。これが競技人生が進んできて重圧がかかってくるといつの間にかしかめっ面になり、考え込むことが増える。子供に戻れる選手はプレッシャーに強い。だから仮に負け癖に悩んでいる選手がいたら、競技を始めた頃の無邪気で楽しかった時の頃に戻ることを進めている。負け癖は厄介だが、ただの認識の問題なので必ず抜けられると私は考えている。


 


トップ写真)Pixabay Photo by StockSnap


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