IRAの真の姿とは 悲劇の島アイルランド その5
Japan In-depth / 2019年7月5日 18時0分
▲写真 マウントバッテン伯爵 出典:Wikimedia Commons; Allan warren
こうしたテロを擁護する考えは毛頭ないが、IRAは単なるテロリスト集団ではない、ということも見ておく必要があるだろう。
まず第一に、彼らの路線は当初から「アーマライト銃と投票箱」
というものであった。アーマライト銃とは、ヴェトナム戦争などで米軍が使用したM16自動小銃の通称である。いわゆる軍事オタクの間では、たしかにアーマライト社の主導で設計されたものの、実際のメーカーはコルト社なので、厳密には誤った呼び名である、とされているのだが、ここではその議論はひとまず置く。
IRA(=暫定派)がテロ路線に傾斜した時点では、最新兵器の象徴としての意味合いがあったものと思われ、こうした兵器をも駆使した武装闘争と、選挙を含めた大衆運動を並行して進める路線だったのである。
さらに言えば、米軍の下士官兵や警察官の中には、アイルランド系が締める確立が高いのだが、彼らの中にさえ独立運動へのカンパを続けていた者が少なからずいた。テロリストに同情的とまでは言わないが、過去に英国から受けてきた仕打ちを思えば……という「歴史認識」がそこにはあった、ということも、やはり見ておく必要はあるだろう。
次回は、テロと弾圧という憎悪の連鎖の中から、英国政府とアイルランド独立派、それぞれがいかにして現実路線に転換していったのか、その流れを見て行こう。
トップ写真:IRA「アイルランド共和軍」 出典:Flickr; National Library of Ireland
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