「埼玉県待ったなし。」大野元裕参議院議員
Japan In-depth / 2019年7月9日 8時56分
安倍:提唱している「埼玉版スーパー・シティー構想」とは具体的にどのようなものですか?
大野:少子高齢化が進む中で我々が直面する問題は何かというと、1つは人手がいない。2つ目は、社会保障を支える人たちがいなくなる。3つ目は、高齢者が増えるだけでなく、高齢者の孤立。それから交通難民、買い物難民が増えてくる。そして空き家が増えてコミュニティが成り立たなくなり、その結果行政コストが支えられなくなり、インフラ更新もできなくなる。これらの弊害を一挙に解決する方法はないかと考えてきたが、それが「埼玉版スーパー・シティー構想」だった。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
安倍:具体的にはどのような構想なのですか?
大野:みんなが住める小さなエリアの中に、食もある住もある、高齢者が住む施設もある、互いに地域内の見守りも、単身の家庭を支えることも、子ども達も育てることができる。これまでなんでできなかったかというと、自分の家を売ってまでそこに住むというメリットがなかったから。
安倍:たしかにそうした「スーパー・シティ」は今までありそうでありませんね。
大野:最近、エネルギーがインセンティブになるのではないかと思いたったのです。家の使っているエネルギーの53%は熱です。発電所が遠くにあると集中して電気を作るから安いが、熱を全部捨てている。モノ作り産業ではエネルギーの80%が熱だから、産業と家、使う時間帯が違うから、学校と老健施設とプールと、みんな一緒にそこに住んでそこの中を熱導管で結ぶと熱は安くなる。暖房費、冷房費が安くなる。六本木ヒルズがそうで、地下に発電所もっているから、(エネルギーコストは)安くはないが合わせ技で、すなわち冷暖房代、温水代などを合わせると安くなる。そういったものをつくっていったらどうかと思っている。かと言っていっぺんにはできないが。
1つ1つの政策を実現しようとするときに、そうした発想を入れこんでの10年間と、何もしない10年間だと全然違うと思う。1つ1つ何かやるときに、なるべく安くすることによって、「合わせ技の発想」を持たないとこれからはだいぶきついなと思っている。
安倍:埼玉の中で何かモデル地区みたいなものを考えているのか?
大野:地域要件によって変わってきます。山の方ならバイオマス発電や水力が使えるだろうし、1番分かりやすいのは、国道122号の日光御成街道の下にINPEX(国際石油開発帝石 )と東京ガスの中圧管が関東で唯一、2本走っているが、そこからとってくればいいのではないか。久喜のあたりは工業地帯がありますから。
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