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イランの対英仏独メッセージ

Japan In-depth / 2019年7月9日 18時40分

更に、「イランには核兵器製造の意図がない」とする論者にも反論したい。イランの少なくとも強硬派の一部が、今は核兵器を作らないとにしても、必要が生ずれば、いつでも短時間で核兵器を作れる十分な技術能力を保持しておきたいと考える可能性は高い。イランには一定の順法精神があるが、脱法行為も結構得意である。


いずれにせよ、イラン側の一連の動きは、絶望でも、八つ当たりでもない。イランは英仏独に対し、「早く行動を起こせ、米国に圧力をかけろ」というメッセージを送り続けているのだ。問題は、英仏独がバラバラで一枚岩には程遠いことである。このまま欧州が動かなければ、イランが次の誤算に走る可能性が現実味を帯びるだろう。



▲写真 ブシェール原子力発電所前。ルーハニ大統領(左)とイランの原子力機関(AEOI)アリ・アクバル・サレヒ氏(右) 出典:タスニム通信社


続いて、南シナ海における中国の対艦弾道ミサイル発射実験についても簡単に触れよう。南シナ海は中国人民解放軍の第一列島線内の海域であり、同海域でいわゆる「空母キラー」ミサイルの発射実験が確認されたとすれば、南シナ海、特に台湾有事の際の戦略的バランスが一層中国に有利となることを象徴する大事件だ。


中国が発射したものが対艦弾道ミサイルであれば、東風(DF)21Dか新型のDF26の可能性が高いだろう。米海軍だけでなく、日本の海上自衛隊にとっても重大な脅威となり得る。これから米国は「航行の自由」作戦を更に強化するのだろうが、時既に遅し、かもしれない。後悔しないためには相当強力な対抗措置が必要となるだろう。



▲写真 DF26 出典:Wikimedia Commons; IceUnshattered


 


〇アジア


日本政府は今回の措置が(1)フッ化水素など規制3品目の韓国向け輸出について、7月4日以降、包括輸出許可制度から個別に輸出許可申請・輸出審査へ変更、(2)先端材料などの輸出について、外為法の優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正、からなるとしている。恐らくWTOパネルで負けないための理論武装だろう。


日本には、これを詳細に書く新聞と無視する新聞があるから面白い。一部識者は日本にすら、いわゆる対韓「輸出規制強化」措置を巡る誤解が生じていると主張する。当該措置は「禁輸」でも「規制強化」でもなく、あくまで輸出管理の「運用の見直し」であり、これまでの対韓優遇措置の一部を解除しただけだそうだ。ふーん、だから・・・?


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